専用ソフト開発で学力調査を可視化へ 鳥取県教委

 小中学校の学力調査で得られる膨大なデータを、よりきめ細かく児童生徒の指導に役立てようと、鳥取県教委は教員向けソフトを独自開発し、新年度から学力の伸びなどの可視化に取り組むことを、このほど決めた。このソフトを使うことで、個々の子どもの学習内容の定着具合が詳しく把握できるほか、小学校から中学校までのデータを継続して追うこともできるようになるという。

 同県では今年5月、県内155校の小中学校・義務教育学校の小学4年生~中学2年生(約2万1400人)を対象に、独自の「とっとり学力・学習状況調査」(鳥取学調)を実施する。国語と算数(数学)のほか、自制心などの非認知能力や計画的な学習方法なども調べる。実施にあたっては、すでに2015年から全県で学力・学習状況調査を行っている埼玉県と連携協定を結び、問題の提供などを受ける予定。

 これに先立ち、鳥取県では2年前から一部の学校を対象に学力調査を実施してきたが、各学校や教員にフィードバックされる数値データがエクセルシート42枚分にも上ることが分かった。「教師が一人で分析できる能力には限りがあり、学力調査を個々の児童生徒の学力向上に丁寧につなげるためには、きめ細かい分析と指導が必要だと判断した。教師の働き方改革にもつなげたい」(小中学校課)という。このため業者にデータ分析の専用ソフト開発を委託することを決め、新年度予算案に約2800万円を計上している。

 同県教委によると、解答力や非認知能力などの伸びやつまずき、弱点などが、個々の児童生徒ごとに12段階で数値化されて可視化できる。教員は得られたデータをもとに、個別に行う面談指導などの際に役立てることができるという。また小4~中2までの5年間のデータを蓄積できるため、教員が替わっても児童生徒を継続して指導することができるようになる利点もある。

 ソフトウエアは新年度に各学校に配布され、教員用のパソコンなどで管理する仕組み。鳥取学調の結果が出る今年8月下旬から運用が開始される。

 県教委の担当者は「鳥取県では学力調査の役割を、全国平均より上か下かを調べるだけのものとは考えていない。あくまでも児童生徒が、どうすれば学力を伸ばせるのかということに役立ててもらおうという位置付けなので、結果の分析と指導が大切。そうした意味で、調査結果を詳しく分析でき、長年にわたり継続して指導に役立てられる意義は大きい」と話している。

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