高校入試、学習指導要領など諸課題を議論 運動部活動の地域移行

 教員の働き方改革を進めると同時に中学生らのスポーツ環境を整備するため、運動部活動の地域移行の課題を検討しているスポーツ庁の有識者会議の第5回会合が3月29日、オンラインを交えて開かれた。この日は中体連の参加資格問題、学習指導要領、高校入試、教員の採用選考や人事配置など多面的なテーマで討議が行われた。運動部活動は休日については2023年度から地域移行を目指しており、次回からはこれまでの議論をまとめた提言作りに着手する予定。

オンラインも交えて行われた「運動部活動の地域移行に関する検討会議」

 冒頭、これまでの議論を受け中体連の委員から、学校単位とされていた中体連主催大会への参加資格について、「特例として、地域スポーツ団体等に所属する中学生の項目を加える」との方針が明らかにされた。現在、各都道府県へ周知を図るとともに、見解を集約しているという。早ければ6月にも正式決定される見込み。

 続いて議題として中学校学習指導要領における部活動に関する記載が取り上げられた。現行の学習指導要領の総則で部活動が「学校教育の一環」と位置付けられたことを受け、実際は教育課程外の活動にも関わらず、多くの学校で部活動が設置・運営されることが義務のような誤解が生じていた。

 委員からはこれについて、今後、部活動の地域移行に進んだ場合はどの学校でも部活動が運営されるとは限らないことから、総則から外したり、学習指導要領の解説において誤解が生じないような記述にしたりすべきとの意見が出た。

 高校入試における調査書との関係についても話し合われた。その背景として、部活動を行うことで入試の際に有利になったり、不利な扱いを避けたりするといった期待が生徒や保護者にあり、やむを得ず部活動を続けている生徒の存在が指摘された。これに対しては、調査書で部活動の活動歴や成績を書くだけでなく、生徒自身が在学中に取り組んだことを自身で評価するなどの方法も取り入れることで、部活動を過度に重視することを避ける仕組みも必要との意見も出た。

 また中学校などの教員採用選考や人事配置において、教員のスポーツ活動歴や部活動での指導成績が重視される側面もあったとされ、地域移行を前に是正されるべきとの提言も示された。

 休日の運動部活動の地域移行の達成時期のめどについては、各地でスポーツ環境の整備には一定の期間を要するとみられることから、23年度から3年間をめどとし、この間を改革集中期間として取り組みを進めていくことが提案された。

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