指針順守する運動部活動が中高で増加 コロナ禍も影響か

 スポーツ庁が定めたガイドラインを順守する運動部活動が、中学校や高校で増加傾向にあることが、笹川スポーツ財団が公表した「スポーツライフに関する調査」で示された。4月4日に行われた同財団の記者会見で、調査を行った研究者からは、ガイドラインの制定の影響だけでなく、コロナ禍が与えた影響も指摘された。

 同財団では2年に一度、全国の市区町村に在住する4~11歳の男女2400人、12~21歳の男女3000人を対象として抽出したスポーツライフに関する調査を実施。今回は昨年6月26日~7月22日に、学校の授業や行事を除く過去1年間の運動・スポーツの実施状況などを調査した。

週当たりの活動日数の推移

 2018年3月にスポーツ庁が策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、中学校や高校の運動部活動について、練習時間は平日2時間程度、休日3時間程度とし、少なくとも平日のうち1日、土日のどちらか1日は休養日とすることを求めている。21年に行った今回の調査で運動部に所属する中高生の活動状況を分析したところ、中学生では週当たりの活動日数を「5日以下」と答えた割合が73.6%を占め、19年に行った前回調査と比べ14.2ポイント増加。その一方で、ガイドラインの基準を上回る「6日以上」と答えた割合は24.8%となり、前回調査から15.6ポイント減った。高校では、「5日以下」の割合が51.1%で前回調査よりも15.6ポイント増加し、「6日以上」は48.5%と、前回調査と比べて16.1ポイント減少した。

 また、土日の活動について「土日とも活動している」と答えた割合は中学生で14.1%、高校生で36.1%と、いずれも減少が続き、逆に「土日のどちらか1日は活動している」と答えた割合は中学生で77.5%、高校生で52.0%と増加していることも分かった。

土日の活動状況

 今回の調査では、新型コロナウイルスの影響についても尋ねた。その結果、運動部活動に所属する中学生の75.5%、高校生の82.3%が、コロナによって運動時間や環境に変化があったと回答し、運動部活動に所属していない生徒よりもその割合は大きかった。具体的な変化の内容を複数回答で聞くと、「参加予定のスポーツ大会が延期・中止になったことがあった」や「学校の運動部やサークル、民間のスポーツクラブなどの活動が減ったことがあった」が中学生・高校生のいずれも約7割を占めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大による運動・スポーツに対する気持ちの変化を複数回答で尋ねると、運動部活動に所属する中学生・高校生の3割以上が「友達やチームの仲間と一緒に運動できることがうれしいと思うようになった」や「運動・スポーツ・運動遊びができることにありがたみを感じるようになった」など、運動やスポーツの価値を再認識していた一方、「運動・スポーツをしていても感染しないか気になるようになった」や「練習や試合の回数が減り、やりがいをなくしてしまった」といった声も一定程度見られ、コロナ禍が運動部活動に所属する生徒の精神面にも影響していることが伺えた。

 調査を担当した同財団の鈴木貴大・スポーツ政策研究所政策オフィサーは「運動部活動の活動時間そのものは減少しているが、これはガイドラインの制定の影響もあるものの、コロナの影響も非常に大きかったのではないか。次回調査の23年時点の数値と比較して、どのように変化していくかを見る必要がある」と話す。

あなたへのお薦め

 
特集