教職員の早期退職制度に改善求める 滋賀県の外部監査

 滋賀県の教職員の早期退職制度を巡り、同県に今年3月提出された監査報告書(2021年度分)が、「数年に1度程度必要がある場合のみ実施すべき」として、毎年のように「割り増し」を期待して教職員が定年前に辞める実態を見直すよう求めていることが、4月4日までに分かった。報告書は、同制度が教員不足の遠因になっているとし、「経験豊富な教職員を早期退職させることは人材確保の面からも大きな矛盾がある」と強く改善を促している。

 同監査は、県の金の使い方を外部の公認会計士がチェックする「包括外部監査」。監査対象は毎年変えて実施されていて、21年度分は「教育に関する財務事務」が対象になった。県知事に3月17日に提出され、1年後までに改善を求められる。

 滋賀県教委によると、同県の早期退職制度は、県立学校で20年以上勤続した45歳以上の教職員が対象。応募した教職員に対し、定年までの残り年数に応じて上乗せ分が加算される仕組みになっている。県条例ができた13年度以後、20年度までの8年間に合わせて913人が早期退職し、約46億7348万円が割り増し分として支出された。1人当たりの加算額は平均で約512万円に上る。

滋賀県の早期退職制度の応募状況と割増額の推移

 こうした実態について、監査報告書は民間企業の制度を引き合いに出して疑問視し、「民間では期間を限定し最小限の費用となるよう実施されている」とした上で、同県の制度は「目的を意識せず恒常的に実施することは単なる退職金の割増制度になっていると言わざるを得ない」と厳しく問題点を指摘。

 県条例が規定する早期退職制度の目的が「職員の年齢構成の適正化を図るため」とあるにもかかわらず、県教委が対象者の基準や計画などを作っていないことにも言及し、「現時点の年齢構成を考慮していない」「最低限あるべき年齢構成を設定することが必要」などとして、「目標となる年齢構成を設定し、対象職種、募集人員などを限定し、数年に1度程度必要がある場合のみ実施すべき」と具体的な改善内容を示した。

 これらの指摘を踏まえた上で、報告書は「監査対象である2020年度の割増金額(66人分、約3億2千万円)は経済性の観点より問題があったと言わざるを得ない」と結論付けている。また若手教職員の人材確保が厳しくなっている昨今、「恒常的に早期退職募集制度が実施されていることは、退職金の割り増しが教職員の既得権益になっているとも捉えられる」とも厳しく糾弾している。

 外部監査の指摘を受けて、県教委では今後1年かけて改善策を練る方針。担当者は「教職員の年齢構成を調べ直し、早期退職の対象となる年代や職種を区切る措置などができるかどうか、教職員団体とも話し合いながら作業を進めたい」(教職員課)と話している。

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