住民税非課税世帯の進学率54%に上昇 修学支援制度に成果

 大学や専門学校などへ進学・就学する低所得世帯の学生に、授業料の減免と給付型奨学金の支給を行う高等教育の修学支援新制度について、文科省は4月5日、制度開始から2年目となる2021年度に、31万9000人への支援を行ったことを明らかにした。支援者数は前年度よりも4万8000人増えた。同省の推計によると、住民税非課税世帯の進学率は54.3%となり、制度開始前に比べ、13.9ポイント増えた。末松信介文科相は「新制度が進学の後押しになった」と成果を強調。在学生や来春の進学予定者を対象に、今月から始まる新規募集に向け、積極的な制度の活用を訴えた。

 文科省によると、高等教育の修学支援新制度がスタートした20年度には、支援者数は27万1000人だった。これが21年度には、4万8000人増えて31万9000人となり、初めて30万人を超えた。

住民税非課税世帯の進学率

 同省の推計では、住民税非課税世帯の進学率は、制度開始前の18年度には40.4%だったが、制度1年目の20年度には18年度よりも10.8ポイント増えて51.2%となった。これが制度2年目の21年度には、さらに3.1ポイント増えて54.3%に上昇した。制度開始前に比べ、13.9ポイントの増加となっている。

 全世帯の進学率は、18年度の81.5%が、制度を導入した20年度には2.0ポイント増えて83.5%となり、21年度にはさらに0.3ポイント増えて83.8%となっている。

 さらに21年度に給付型奨学金を受給して進学した大学1年生にアンケートを実施したところ、受給者の約98%に当たる8万9794人が回答。「給付型奨学金を受けられなかった場合 どうしましたか」との質問に対し、「進学をあきらめた」33.4%、「今の学校より学費や生活費がかからない学校に進学した」26.5%、「給付型奨学金がなくても今の学校に進学した」39.5%、「無回答」0.7%--との答えが出た。

修学支援新制度の利用を呼び掛ける末松文科相

 こうした支援者数の増加やアンケート調査の結果を踏まえ、末松文科相は「本制度が進学の後押しになったと考えている。子供たちが経済的な理由によって進学・就学を断念することがないように、本制度を着実に実施していきたい」と述べた。

 高等教育の修学支援新制度は、住民税非課税世帯やそれに準ずる低所得世帯の学生を対象に、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校に進学または就学する際、授業料の減免や給付型奨学金の支給を行う。支給額が最大となる私立大学のケースでは、授業料約70万円を上限とする減免と、生活費として自宅外生に返済不要の給付型奨学金約91万円が支給され、あわせて年間約161万円の支援を受けることができる。入学金なども別途支給される。国はこの支援制度のために、22年度予算に5196億円を計上している。

 給付型奨学金の支給を希望する場合、在学中の学校で関係書類を受け取り、インターネットで日本学生支援機構(JASSO)に申し込む。授業料の減免は在学中の学校に申し込む。進学先での支給を希望する高校3年生は、在学中の高校を通じて日本学生支援機構に申し込む。

 末松文科相は「今月からは在学生を対象とした募集を行うので、新入生も含め積極的に活用いただきたい。また4月下旬から、来年度進学予定者向けの募集も開始する。進学を考えている高校3年生にはぜひ申請いただきたい」と、積極的な活用をアピールした。

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