日本でも出自を知る権利の保障を 養子の日に合わせ提言

 「養子の日」だった4月4日、日本財団は記者会見を開き、養子となった当事者が自分の出自について知る権利を日本でも保障するための、記録の取り扱いに関する提言を発表した。出自を知る権利について国内法を定め、国レベルで記録を管理する機関を創設することや、記録の取得、管理、アクセスに関するガイドラインを定めることなどを求めた。

 同日を「養子の日」とし、養子縁組や里親の周知や支援活動をしてきた同財団では昨年、日本国内のさらなる養子縁組制度の改善を目的に、養子縁組の記録に特化した研究会を立ち上げて、当事者からのヒアリングなどを実施。これまでの議論を基に提言をまとめた。

 提言では、記録にアクセスする主体を養子、養親と想定。ひとまずは児童相談所と民間養子縁組あっせん機関の記録を検討対象とし、児童福祉施設や里親支援機関、家庭裁判所、医療機関の管理する記録を含めるかは今後の課題とした。その上で、国内法で出自を知る権利を定め、これに基づき国が子どもの出自に関する記録の取得や管理、アクセス支援に関するガイドラインを策定し、公的な中央機関が一元的に記録の管理を行うことなどを求めた。

研究会の提言について説明する林教授(YouTubeで取材)

 研究会の座長を務めた林浩康日本女子大学教授は、こうした出自に関する記録を国が管理し、当事者がいつでもアクセスできるようにする制度について、「養子に限定せず、生殖補助医療で生まれた子どもの出自を知る権利などでも、同様のことが求められる」と述べ、国として整備を急ぐ必要性を指摘した。

 また、記者会見に出席した自身も養子だという当事者の一人は「私は、自分の意思決定ができないときに起こったことの全てを、ありのままのことを知りたかった。養子の中には、この部分だけは知りたいけれどその他のことは知りたくないという人もいれば、自分のルーツは知りたくないという人もいる。また、かつては知りたくなかったけれど、今は知りたいという人もいる。当事者が知りたいと思ったときに、どこに住んでいても容易にアクセスできるように、情報が大切に一元化されて保存されているといいなと思う」と話し、出自を知る権利の保障への理解を求めた。

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