卒業証書に誤って別の小学校の学校印 兵庫県尼崎市

 兵庫県尼崎市の市立小学校が今春までの4年間、誤って他校の公印を印字した卒業証書を児童に渡し続けていたことが、4月6日までに分かった。間違いのある証書を受け取った卒業生は合わせて553人。今年3月に「漢字好きの児童が誤りを見つけた」(市教委)という。現在、同校の教員が手分けして卒業生の家庭を訪問し、謝罪して正しい公印がついた証書と差し替えている。

尼崎市立小学校の卒業証書のサンプル。赤字で囲んだ部分に学校印と校長印が印字される

 同市の市立小学校の卒業証書は、市教委が共通した台紙を作成し、各学校で校長名や児童名、公印を入れて印字する仕組み。その際、「校務支援システム」を使って印刷するが、そのデータ入力が間違っていた。市教委によると、この小学校が同システムを初めて導入した2018年度当時、操作方法を学ぶ研修を行った際に別の学校の公印をサンプルとして用いたところ、その後も自校の公印と取り換えるのを忘れていたらしい。

 卒業証書に印刷される公印は、学校印、校長印、割り印の3つ。誤った別の学校とこの学校の校名は1文字違いであることに加え、学校印と校長印はともに字体が複雑な篆書(てんしょ)体で作られている。そのため同校では証書の授与前に、校長と担当教員が点検したが気付かなかったという。

 ところが今年の卒業生の一人が自宅に持ち帰って見ていた時に「自分の学校名と違うのではないか」と気付き、保護者に告げて学校に連絡したことで発覚した。

 なぜサンプルの公印が同システムに残ったままになっていたのかや、誰のミスで間違いが起きたのかなどは結局、特定できなかった。市教委では「この4年の間にシステムのクラウド化やGIGAスクール構想の導入などがあって、端末のソフトがどんどん入れ替わってしまった。そうしたことも混乱の原因になって、あいまいになってしまった」と説明する。

 この小学校では6日現在、今年の卒業生の証書についてはほぼ差し替え終わったものの、昨年度以前の卒業生分については1学期中をめどに謝罪と回収のため家庭訪問を続ける予定。市教委では他の市立学校園でも確認したが、同様のミスは見つかっていない。

 同市教委の増田裕一学校教育部長は「えっと驚いたが、明らかな人為ミス。おわびするしかない。この小学校の先生たちも、よもや間違っているとは思わなかったようで、注意が足りなかった。すでに再発防止策をとったので今後は大丈夫だと思う」と話している。

 同市教委は「プライバシーの観点から学校名や間違いを見つけた児童の詳細については明らかにできない」としている。

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