ヤングケアラーの子ども「いる」 小学校の3校に1校で

 シンクタンクの日本総研は4月11日、厚労省の2021年度子ども・子育て支援推進調査研究事業の一環で行われた、ヤングケアラーの実態調査の報告書を公表した。この調査では、厚労省が20年度に実施したヤングケアラーの実態調査で対象にしていなかった小学生や大学生に対して実施。小学6年生で「家族の世話をしている」と回答したのは6.5%を占め、小学校へのアンケートでも3校に1校で「ヤングケアラーと思われる子どもがいる」と答えていた。

「ヤングケアラー」の子どもの在籍状況

 報告書によると、小学6年生で世話をしている家族がいると回答した子どもに、具体的な世話をしている家族について複数回答で尋ねたところ、「きょうだい」が最も高く71.0%、次いで「母親」が19.8%だった。具体的な世話の内容(複数回答)は「見守り」が最も高く40.4%、次いで「家事(食事の準備や掃除、洗濯)」(35.2%)や「きょうだいのお世話や送り迎え」(28.5%)、「話を聞く」(26.3%)が続いた。

 世話をしている頻度では「ほぼ毎日」が52.9%と半数以上を占め、平日1日当たりの世話に費やす時間は「1~2時間未満」が27.4%と最も高く、無回答を除いた平均は2.9時間だった。

 学校や大人にしてもらいたいこと(複数回答)は「特にない」が50.9%で最も高かったが、「自由に使える時間がほしい」(15.2%)や「勉強を教えてほしい」(13.3%)、「自分のことについて話を聞いてほしい」(11.9%)などが他の項目と比べてやや高かった。

 小学校への調査で、ヤングケアラーの概念の認識について聞いたところ、「言葉は知っているが、学校としては特別な対応をしていない」が51.0%、「言葉を知っており、学校として意識して対応している」が41.4%で、約9割はヤングケアラーという言葉を知っていることが分かった。ヤングケアラーの概念について「言葉を知っており、学校として意識して対応している」と回答した学校に対して、子どもの実態把握の状況を尋ねると「把握している」は44.4%、「『ヤングケアラー』と思われる子どもはいるが、その実態は把握していない」は13.9%、「該当する子どもはいない(これまでもいなかった)」は41.7%だった。

 その上で、ヤングケアラーの定義と状態像を示し、該当すると思われる子どもの有無を尋ねたところ、34.1%が「いる」と回答。ヤングケアラーの「言葉を知っており、学校として意識して対応している」と答えた学校では、51.9%が「いる」と回答した一方で、「言葉は知っているが、学校としては特別な対応をしていない」「言葉は聞いたことがあるが、具体的には知らない」と回答した学校で「いる」と回答した割合は2割程度にとどまった。

 ヤングケアラーと思われる子どもの状況では「家族の代わりに、幼いきょうだいの世話をしている」が最も多く79.8%、次いで「家族の通訳をしている(日本語や手話など)」が22.5%、「障害や病気のある家族に代わり、家事(買い物、料理、洗濯、掃除など)をしている」が19.1%と続いた。

 報告書の小学生に関する調査は、小学校におけるヤングケアラー対応に関するアンケートおよびインタビューと、小学生の生活に関するアンケートを基に構成。小学校への調査は22年1月に、全国の小学校から350校を無作為抽出してアンケートを実施。260校から回答を得た上で、そのうち6校については、ヤングケアラーの支援に関するインタビューを行った。小学生への調査は22年1月に小学校350校を無作為抽出し、小学6年生に対してアンケートに回答してもらった。対象者約2万4500人のうち、9759件の回答を分析した。

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