妊婦の医療用消毒殺菌剤の使用 子供のアレルギーと関連

 山梨大学は4月8日、妊婦が職業上の理由で、医療現場で使用されている医療用消毒殺菌剤を毎日使用していると、生まれてきた子供は、3歳時点で気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎になる割合が高いことが分かったと発表した。妊婦の医療用消毒殺菌剤の使用頻度が上がるほど、子供が気管支喘息やアトピー性皮膚炎を発症する可能性は高くなる傾向にあった。

 医療用消毒殺菌剤は、まれに気管支ぜんそくを引き起こすことが報告されていたものの、妊婦が仕事で医療用消毒殺菌剤を使用していることと、子供のアレルギー疾患の発症との関連は検討されてこなかった。

 同学の研究グループは、環境省が胎児期から小児期にかけての化学物質のばく露が子供の健康に与える影響を大規模に調べているコホート調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」による約8万組の親子のデータを分析。妊娠してから妊娠中期まで、医療用消毒殺菌剤を仕事で半日以上かけて扱った回数(「いいえ」「月1~3回」「週1~6回」「毎日」)と、生まれた子供の3歳児のアレルギー疾患(気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)の医師による診断の有無について解析した。

 その結果、仕事で医療用消毒殺菌剤を毎日使用していた妊婦から生まれた子供は、使用していない妊婦から生まれた子供と比べて、3歳の時点で気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎になる割合が高いことが分かった。その一方で、食物アレルギーの発症との関連性は認められなかった。

 さらに、妊婦の仕事での医療用消毒殺菌剤の使用頻度が上がるほど、生まれた子供が3歳児に気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎を発症する可能性が高まる傾向にあった。

 研究グループでは、この分析は実際の医療用消毒殺菌剤のばく露状況を反映しているものではなく、今後、より詳細な医療用消毒殺菌剤の使用状況を踏まえた研究が必要であると指摘。また、質問票で特定の消毒液を指定していないので、回答者の受け止め方によってばらつきがあることや、市販の消毒液を妊婦が使用することによる子供のアレルギーへの影響は、この研究だけでは分からないとしている。

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