大学3年生のケアラーの約半数 就職に不安があると回答

 4月11日に日本総研が公表したヤングケアラーの実態調査の報告書では、大学3年生を対象に行ったウェブアンケートで、現在家族の世話をしていると答えた人のうち、約半数が就職について何かしらの不安があると回答していた。さらに、大学進学以前からケアの必要な家族がいた人の約半数で、大学進学にあたって何らかの苦労や影響を受けているなど、家族のケアが大学生活や進路選択に影響を及ぼしている現状が浮き彫りとなった。

 報告書によると、回答した学生のうち、世話をしている家族が「現在いる」と回答したのは6.2%、「現在はいないが、過去にいた」は4.0%だった。これらの人に世話をしている(していた)人を複数回答で聞いたところ、「母親」が最も高く35.4%、次いで「祖母」が32.8%だった。それぞれの状況をみると、「母親」は「精神疾患(疑い含む)」の28.7%が最も高く、「祖母」は「高齢(65歳以上)」の84.0%に次いで「要介護(介護が必要な状態)」(39.5%)や「認知症」(32.1%)があった。

 具体的な世話の内容では、母親の場合は「家事(食事の準備や掃除、洗濯)」の割合が最も高く69.9%、次いで「感情面のサポート(愚痴を聞く、話し相手になるなど)」が42.7%、祖母では「見守り」が最も高く57.4%、次いで「家事」が51.5%だった。

 世話を始めた時期は▽大学入学以降 35.9%▽高校生から 22.4%▽中学生から 13.0%▽小学校高学年から 11.1%▽小学校低学年から 8.4%▽小学校就学以前から 9.2%――で、世話を始めた時期が大学入学以前の人に、大学進学の際に苦労したことや影響したことを聞くと、「学費等の制約や経済的な不安があった」(26.7%)や「受験勉強をする時間が取れなかった」(21.6%)などがみられ、約半数の人が大学進学で何らかの影響を受けていた。

世話をしていることで、大学進学の際に苦労したこと・影響(複数回答)

 世話をしていることでやりたかったができなかったり、諦めたりしたことがあるかを複数回答で尋ねるところ、「自分の時間が取れなかった」(32.2%)や「睡眠が十分に取れなかった」(24.4%)、「友人と遊ぶことができなかった」(24.3%)など、6割の人が何らかの制約を受けていることが分かった。

 また、就職に関する不安を尋ねると、「正社員として就職できるか不安がある」(13.9%)や「通勤できる地域が限られる」(13.4%)など、半数近くの人が就職に関して何らかの不安を感じていた。

 日本総研では、今回の調査は「大学3年生まで大学に通えている人」が対象であり、大学進学を諦めた人や大学に入学したものの通い続けられなかった人の実態は把握できていないと説明。18歳以上の「若者ケアラー」のより詳細な実態把握や支援・対応の検討が求められるとしている。

 同調査は、昨年12月16日~今年1月14日に、全国の大学の約半数に相当する396校を抽出し、大学3年生にインターネット上で聞いた。推計30万人のうち、9679件の回答が得られた。

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