大学院生の研究に中高生が出合う カタリバと東大が連携

 「まれびと」が中高生の探究心を刺激する――。NPO法人のカタリバが運営する東京都文京区青少年プラザb-labでは4月から、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の山内祐平研究室と連携し、b-labを利用する中高生が、東大の若手研究者や大学院生の研究する姿を見ながら、大学での学びに興味を持てるようにする「まれびとプロジェクト」を始めた。探究を打ち出した新学習指導要領が始まる中で、「やりたいことが見つからない」「興味・関心を進路と結び付けられない」といった中高生が抱えている課題に、学校と家庭に続く「第三の居場所」が新たなアプローチを試みる。

 2015年度からカタリバでは「いつでもなんでも挑戦できる中高生の秘密基地」をコンセプトにしたb-labを文京区教委からの委託事業として運営しており、文化やスポーツ、学びに関する多様なイベントの開催や、利用する中高生が自ら探究的なプロジェクトに取り組む活動などを行ってきた。

新たに「まれびとプロジェクト」を始めたb-lab(カタリバ提供)

 今回のプロジェクト名に付けられている「まれびと」とは、もともと民俗学の用語で、異界から来訪し、人間界に刺激を与える存在を意味する。これにちなみ、プロジェクトでは大学で専門分野を学び、b-labで自身が取り組んでいる研究について中高生に見せてくれる大学院生や若手研究者を「まれびと」と呼ぶことにした。

 プロジェクトでは、山内研究室の研究者が、東大の若手研究者・大学院生と共にb-labを訪れ、専門分野のプロジェクトや研究活動に取り組む様子を中高生に公開。中高生はその様子を観察したり、一緒に作業したりすることで、大学の学びに対する興味・関心を引き出したり、新たな好奇心との出合いの場としたりすることを狙っている。

 例えば、プログラミングであれば壁面大型モニターにコードを映し出したり、地理歴史に関する研究であれば、机の上に地図を広げたりして、中高生にも研究が可視化されるようにする。また、電子工作であれば、中高生がはんだ付けを手伝ったりできる準備をしたり、じっと1分以上眺めている中高生には声を掛けたりすることで、研究活動への参加を促していくという。

 プロジェクトは1年間の予定で、山内研究室では、この取り組みを学習科学における中高生の興味を喚起するデザイン研究として位置付け、効果検証などを行う。

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