子供法案3案そろう 基本理念、施策を比較

 省庁間の縦割りを排して、子供に関する一本化した施策を推進するための法案が、自民・公明、立憲民主、日本維新の会それぞれから国会に提出された。いじめや虐待、貧困など子供を巡るさまざまな問題が深刻化する状況で、かつて批准した国連の「子どもの権利条約」の理念を国内法として明文化する取り組み。子供を真ん中に置いた施策に向けて、各党は法案に何を書き込んだのか。主な項目を比較した。

目的

 自・公提出の「こども基本法」では「日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人として健やかに成長することができ、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して…」と、「子どもの権利条約」について触れた。

 立憲民主提出の「子ども総合基本法」でも「子どもの最善の利益が図られ、その人権が保障され、及び社会全体で子どもの成長を支援する社会を実現するため、児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子ども施策に関し、基本理念を定め…」と同条約の理念に基づいていることを明らかにしている。

 日本維新の会提出の「子ども育成基本法」では「次代の社会を担う子どもの育成への支援は日本社会の未来への投資であるとの認識の下、子どもの教育、福祉等に関する政策に係る縦割り行政の弊害を除去し、子どもの教育、福祉等に係る施策を一体のものとして…」として、子供施策の一本化を強調した。

基本理念

 各法案とももれなく子供の権利保障について掘り下げた。「こども基本法」では、「個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、差別的取扱いを受けることがないようにする」とし、さらに、適切に養育されること、生活を保障されること、愛され保護されること、教育を受ける機会が等しく与えられることなどが行われなければならないとした。子供が意見表明する機会や多様な社会的活動に参画する機会の確保も挙げ、「その最善の利益が優先して考慮される」とした。

 「子ども総合基本法」でも、子供たちの「最善の利益が図られ、その人権を保障すること」「個人としての尊厳を重んじ、不当な差別的取扱いを受けることがないようにすること」「子どもの年齢及び発達の程度に応じて、子どもの意見を聴く機会及び子どもが自ら意見を述べることができる機会を保障し、その意見を十分に尊重すること」「全ての子どもの命を守り、その生存と安全を保障すること」が行われなければならないとしている。

 「子ども育成基本法」では、子供はそれぞれが異なる個性を持つ多様な存在であるとの認識を前提として、「個人として尊重されるとともに、その最善の利益が優先して考慮される」とした。さらに「不当な差別的取扱いを受けることがないようにする」「等しく質の高い教育を受ける機会が確保されるとともに適切に養育され、生活を保障される」「年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、社会における活動に参画する機会が確保される」と続けた。

基本施策、その他

 「こども基本法」では、こども施策を総合的に推進するための大綱を定めるとした。設置を予定しているこども家庭庁に、特別の機関として内閣総理大臣を会長とする「こども政策推進会議」を置き、重要事項を審議し、施策を推進することとした。

 「子ども総合基本法」では、子ども省を設置するとし、子ども施策に関する「子ども施策基本計画」を定める。国内総生産に占める子ども施策の支出割合が3%以上になるよう予算を確保。第三者機関として「子どもの権利擁護委員会」を置き、子どもの権利が擁護されているかどうかの実態および子ども施策の実施状況を監視するなどとした。

 「子ども育成基本法」では教育子ども福祉省を設置するほか、子どもの育成に関する「子ども育成基本計画」を定めることや、内閣府に特別な機関として子ども育成会議を置くことなどを盛り込んだ。

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