契約書がないケースも 給食食材について文科省が調査

 新型コロナウイルス感染などの影響で学校が長期間休校した際、給食に使われる予定だった食材のキャンセルを巡る契約上のトラブルや、食材の廃棄などさまざまな問題が生じたことを受け、文科省はこのような事態に備えるための「安定的な学校給食提供体制の構築に関する調査研究」報告書をまとめ、周知徹底のためにこのほど、全国の学校給食関係者に事務連絡を行った。

 調査は昨年9月下旬から11月上旬にかけ、学校設置者(7件)と給食用食材を学校に納入している事業者(3件)に対してオンラインや電話で行った。質問は取引における支障事例と臨時休校などで不要になった給食食材の活用方法について。

 報告書によると、2020年3月から全国の多くの小中学校で臨時休校となったため、学校給食が中止となり、事業者は食材の納入をストップ。このため発注を見込んでいた売上が急になくなり、加工分の料金が請求できないなどの事態が生じた。

 この背景には、長年の慣行で学校側と事業者側の取引に契約書が存在しないことや、あってもキャンセルに関する取り決めがほとんどないことがある。そのため、文科省が「学校臨時休業対策補助金」を創設しても、契約書がないために事業者が活用できないというケースもあったという。

 この事態を受けて、報告書では、学校設置者と事業者の間で契約書を作成して発注行為を明確化し、不測の事態に備えてキャンセル条項を長期、短期別に定める必要があるとし、条項の例文を具体的に示した。

 休校によって余った大量の食材については、賞味期限が近いものは廃棄したほか、後に回せるものは献立を組み替えるなどして調整や変更を行っていた。また、食材を学校以外の保育所や病院などに回して使ってもらったり、地元のスーパーに買い取ってもらったり、フードバンクへ無償提供したり、市民に低価格で販売したりと、さまざまな方法で有効活用が図られた事例があった。

 報告書ではこのような取り組みについて、日ごろから自治体内外で関係各所と連携を密にして、万が一に備えて対応プランを練っておくことが望ましいとしている。ただし、学校給食の実情は地域によって異なることから、一律ではない取り組みが必要と結んでいる。

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