外国人との共生社会に向け 26年度までのロードマップ案

 日本で生活する外国人人口の増加傾向が続いていることを受けて、出入国在留管理庁は4月13日、中長期的な外国人との共生社会の実現に関する施策をまとめたロードマップ案について、パブリックコメントの募集を開始した。意見は同25日まで受け付ける。教育に関する重点事項では、外国人の子どもの就学促進に向けて、2025年度末までに外国人の子どもの就学状況の一体的管理・把握を進めることや、23年度からスタートする高校における個別の日本語指導の教育課程への位置付けを可能にする制度に向けた取り組みなどを挙げている。

 昨年、政府は「外国人との共生社会の実現のための有識者会議」を設置し、共生社会の実現に向けた中長期的課題について議論。その意見書を「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」の共同議長である法務相に提出していた。これを受けて、国として26年度までを見据えた日本の共生社会のビジョンや、具体的な施策を整理したロードマップを策定することとなった。

外国人児童生徒の学びに関するロードマップの一部

 今回示されたロードマップ案では、外国人との共生社会のビジョンとして①これからの日本社会を共につくる一員として外国人が包摂され、全ての人が安全に安心して暮らすことができる社会②さまざまな背景を持つ外国人を含む全ての人が社会に参加し、能力を最大限に発揮できる、多様性に富んだ活力ある社会③外国人を含め、全ての人がお互いに個人の尊厳と人権を尊重し、差別や偏見なく暮らすことができる社会――の3つを掲げ、円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育や、ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援に向けた取り組みなどを重点事項として位置付けた。

 日本語教育では、20年11月時点で、約58万人の外国人住民が日本語教室の開設されていない市区町村に居住していることや、日本語教育の質の向上を課題に挙げ、自治体への日本語教室の開設に向けた支援をはじめ、文化庁が策定した「日本語教育の参照枠」に基づく教材・評価手法の開発、日本語教育機関の認定制度、日本語教師の資格制度の整備などを推進する。

 また、ライフステージ・ライフサイクルに応じた支援では、就学や進学、就職などのライフステージの継ぎ目における支援が必要だと指摘。乳幼児期・学齢期では、幼稚園などにいる外国人幼児の数や保護者への支援ニーズなどの把握を進め、就学を促す取り組みとして、学齢簿の編製に関して、25年度末までに住民基本台帳システムと連携させた、外国人の子どもの就学状況の一体的管理・把握を実現させるとした。

 さらに高校段階では、高校入試における外国人受験生を対象とした特別定員枠の設定や、問題文の漢字へのルビ振りといった受験上の配慮に関する取り組みを推進。今年度中に日本語指導に関する授業づくりの指導資料を開発し、23年度から始まる日本語の個別指導を、教育課程に位置付けて実施できる制度の導入に対応する。

 ロードマップ案はe-Govのウェブページから確認できる。パブリックコメントを踏まえて、6月ごろに開かれる関係閣僚会議で、ロードマップとして示される見込み。

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