教育委員会「チェック機能働きにくい」 文科省会議で委員指摘

 教育委員会の機能強化などを検討する、文科省の調査研究協力者会議の第3回会合が4月18日、オンラインで開かれ、委員からの発表が引き続き行われた。その中で教育行政学を専門とする村上祐介委員(東京大学大学院教育学研究科准教授)は、東京都教委で昨年度、大半の教育委員が反対する中、新型コロナウイルスの感染拡大下でパラリンピックの学校連携観戦に踏み切った事例に言及。教育委員会事務局に対するチェック機能が働きにくくなっているとして、教育委員の権限強化など、改善に向けた方策を提言した。

 村上委員は2014年の法改正により、教育委員会の教育長に対する指揮監督権が削除され、教育委員の権限が弱められたことを指摘。その上で、東京都教委の事例について「教育委員の多数が支持する意見が通らずに、教育長と事務局が決めたことが通ってしまうとも取れるわけで、教育委員会制度の趣旨から考えると非常によろしくない事例。いざという時にセーフティーネットが働きにくい環境になっているのでは」と述べた。

 こうした事例を踏まえ村上委員は、教育長任免に教育委員が関与する、会議での評決は教育委員のみで行うといった法的・制度的な改善案とともに、教育長に対する評価を行う、教育委員のために独立した相談窓口を設けるなど、法改正を伴わない運用上の工夫を行うことを提案。加えて、教育委員会事務局や学校といった教育専門職の間でも、危機管理の仕組みなど、内部的な抑制均衡の在り方を考えていくことの重要性を強調した。

 これに対し戸ヶ﨑勤委員(埼玉県戸田市教育長)は「多様性の時代にあって、数人の教育委員が多様な市民の意見を本当に反映できるかは考えていかなければいけない。SNSなども効果的に活用していく必要があるのでは。教育委員会や学校の取り組み、会議の様子をインターネット上で公開して、地域住民が意見を積極的に発信したり、教育委員がそれを確認しながら意見を述べたりといった活用ができるのでは」と語った。

 また梶原敏明委員(大分県玖珠町教育長)は「教育委員への研修の機会がもっとあってよい。伝達や報告を受けるだけ、議案を承認するだけに終わらないよう、当事者意識を持って学ぶ機会が必要。また小さな町ではどうしても偏った同じ意見になることもあり、教育委員会の広域連携により意見交換することも必要では」と述べた。

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