動画要求などをいじめ認定 北海道旭川市の第三者委

 北海道旭川市の公園で昨年3月、中学2年生の女子生徒が遺体となって見つかった問題で、学校でのいじめの事実を調べていた同市の第三者委員会は4月15日、中間報告を公表し、女子生徒に対し性的な動画を要求し続けるなどの6項目をいじめと認定した。同日夕方に記者会見した今津寛介市長は、中間報告に対する遺族側の所見書などを踏まえ、遺族側が求めれば第三者委とは別に、首長部局による並行調査を検討する意向を示した。

 中間報告では、2019年4~6月に、被害に遭った女子生徒と、当時通っていた中学校の複数の上級生との間で起きた出来事の事実関係を整理。上級生とLINEでつながり、オンラインのバトルゲームをするようになったのをきっかけに、女子生徒は上級生から性的行為をしている様子をビデオ通話で送るよう要求され続けたり、目の前で性的な行為をするよう求められたりしていた。6月22日には、公園で上級生からからかわれたことをきっかけに、女子生徒は「もう死にます」と言って川に入り、中学校に電話。教員2人が駆け付け、膝下まで川に漬かっている女子生徒を保護していた。

 その上で▽上級生がLINEのグループ通話で性的な話題を繰り返し、その後、上級生の一人と女子生徒との間でLINEによる性的なやりとりが行われたり、公園で2人だけになった隙に体を触ったりしたこと▽深夜の時間帯に公園に集まろうという趣旨の会話をグループ通話で行い、それを実行していないにもかかわらず女子生徒には伝えなかったこと▽上級生の菓子の代金を負担し続けていたこと▽別の上級生もLINEで性的な話題を長時間にわたって続け、性的な動画の送信要求を長時間続けたこと▽女子生徒に対して性的な行為に関する会話を行い、行為の実行を執拗(しつよう)に求めたこと▽女子生徒をからかい、拒否的な反応をした後に、本人の秘密をその場で言うかのような発言をしたほか、パニックのような状態になった本人に対して突き放すような発言をしたこと――の6項目がいじめに当たるとした。

 女子生徒はその後、市内の別の中学校に転校したが、昨年2月に行方不明となり、3月になって公園で凍死しているのが発見された。女子生徒が以前在籍した中学校でも、転校後の中学校でも、女子生徒へのいじめを認知していなかった。いじめの報道を受けて事態を重く見た旭川市では、昨年5月に第三者委を立ち上げて調査を始めた。

 記者会見で今津市長は「私はかねてからいじめであると発言していて、6項目がいじめと認められたのは評価したい。報告書を見て感じるのは淡々と事実が書かれていて、無機質で感情がない。被害者の気持ちや心情が抜け落ちていると私自身は感じる」と、中間報告に対する第一印象を述べた。

 また、第三者委の調査が遅れていることについても「視察をした大津や岐阜でも、最終報告まで半年なので、旭川の進捗(しんちょく)状況は遅いと言わざるを得ない」と批判。今後、中間報告に対する遺族側の所見書の提出などを待って、遺族側の要望があれば、並行調査の実施も考えられるとした。

 第三者委では8月をめどに、最終報告を取りまとめる方針。旭川市では今後の対策として、部局をまたいだいじめ防止対策の立案やそれを審議する有識者メンバーの選定を進めるとともに、23年度からの施行を視野に、いじめ防止対策条例の制定を目指す。

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