子どもの学習意欲が低下 半数超が勉強する気持ちわかず

 コロナ禍で子どもの学習意欲が低下傾向にある――。そうした結果が4月20日、東京大学とベネッセホールディングスが2015年から共同で行っている追跡調査の速報値で明らかとなった。19~21年において、「勉強する気持ちがわかない」との問いに「とてもあてはまる」「まあまああてはまる」と答えた割合は45.1%から54.3%に増加し、半数を超えた。

 東大とベネッセは小学1年生から高校3年生までの親子2万1000組を対象に、15年以降、複数の追跡調査を実施している。今回は小学4年生から高校3年生までを対象に、19年、20年、21年におけるコロナ禍の子どもの生活と学び、それを取り巻く環境の変化について、約1万人の子どものデータを分析した。

 その結果、「勉強しようという気持ちがわかない」に対して「とてもあてはまる」「まあまああてはまる」と答えた割合は、19年が45.1%、20年が50.7%、21年が54.3%と、3年間で9.2ポイント上昇。子どもの学習意欲が低下している状況が浮き彫りとなった。この割合は学校段階が上がるにつれて増加し、いずれの学校種でも増加していた。学年別にみると、小6、中3、高2、高3はこの増加幅が比較的小さく、入学間もない学年で学習意欲の低下が顕著なことも分かった。

「勉強しようという気持ちがわかない」という質問に対する肯定率(学校段階別)

 同じ子どもの変化に着目すると、19~21年にかけて学習意欲が向上した子どもは11.2%、低下した子どもは25.8%、意欲が高いままは31.8%、意欲が低いままは31.2%だった。また、学習意欲の変化と関連する要因を分析したところ、学習方法の理解や授業の楽しさ、進路(将来)を深く考える経験などの変化が関連していることも明らかとなった。

 さらに、この間の学校の授業形態の変化をみると、GIGAスクール構想の浸透で「パソコンやタブレットを使う」という割合が、19年は54.5%だったのが21年は80.1%に大幅に増加していた。21年の時点で、学校でデジタル機器を「ほぼ毎日」活用していると答えた割合は▽小4~6 21.2%▽中学生 19.8%▽高校生 22.6%。1日の平均使用時間は▽小4~6 55分▽中学生 62分▽高校生 71分――だった。

 共同研究を行っている東大社会科学研究所の佐藤香教授は4月20日にオンラインで行った記者向け説明会で、「日本の場合、子どもはよく勉強するが大人になると学習活動をしない。OECD(経済協力開発機構)の国際成人力調査(PIAAC)をみると、日本は低い順位ではないが、ITや問題解決能力は低い一方で、読解力や基本的な数学能力は成人も高い。これは子どものときに身に付けたものが、大人でも役立っているということだ。子ども時代の学習意欲の低下は、成人期に影響を残す可能性がある。学習意欲の低下した子どもをどうフォローするのかが、教育の課題になる」と指摘した。

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