日本でALが広がらないわけ 英語や大学入試の課題を議論

 「教育総合.オンライン展示会 vol.3」(DMM.com主催)は最終日の4月22日、アクティブ・ラーニング(AL)をテーマに、花まる学習会の高濱正伸代表と、東京女子学園中学校高等学校で先端学習部副部長を務める唐澤博教諭による対談を配信した。両氏は日本の英語教育の在り方から大学入試まで、日本の教育が抱えている課題を語り合った。

ALをキーワードに日本の教育の課題を議論する高濱代表(左)と唐澤教諭(オンラインで取材)

 高濱代表が「高校入試、大学入試と次々続く枠組みを小さいときから見せつけられている。壁に当たっている大人は、自分のハートを見ていない。自分は何にワクワクするのかではなく、ランキングや偏差値、ブランドばかり気にしている。自分のペースで生きていくことのできない人があふれているのが、日本の教育の大きな課題だ」と口火を切り、日本人は人に自分の意見を表明するのに慣れていないことも、世界の中で日本の地位が低下している原因だと批判した。

 これに対し、英語の教員でもある唐澤教諭は、大学入学共通テストで民間試験を活用して英語4技能を測ることが実現しなかったことで、現在の共通テストは「読むこと」と「聞くこと」の2技能でしか評価できていないと指摘。

 「英語はもともとペアワークやグループディスカッションなどを取り入れていたので、英語の先生はALと言われてあたふたすることはなかったが、受験が2技能だけにしていると、現場は『進学させるなら2技能でいい』と後退してしまったところもある」と応じた。

 さらに、日本の学校教育でALが難しい背景として、高濱代表は、幼児期から自分の気持ちと向き合い、人に自分が好きなことなどを伝える機会が十分になく、いつの間にか興味のあるものや楽しかったものを見失ってしまったり、中高生くらいの年代で哲学的な議論をしたりすることが不足しているとの見方を示した上で、PBLをはじめとするプロジェクト型の学びとALの相性の良さを指摘。

 「テストの日まで正解を覚えて、後は忘れるのが日本の問題だが、プロジェクトという経験とともにあるアクティブな学びは意味がある」と強調した。

 一方、東京女子学園中学校高等学校で設けられている「探究」の授業の主任でもある唐澤教諭は、中高生が一緒になって協働する同校の「探究」の授業の進め方や、大学入試でも総合型選抜の割合が増えていることを紹介。

 「今は出口(大学入試)が変わっている。総合型選抜で大学に合格した生徒は、『探究』を受けたことで自分が将来やることを意識したと話している。そういう実践にも目を向けてもらえれば」と、転換期にある中等教育から高等教育への接続の変化に期待を寄せた。

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