「子供コミッショナー」「幼保一元化」 子供法案論戦、衆院内閣委

 岸田政権の目玉政策である内閣提出の「こども家庭庁」設置法案をはじめ、子どもの権利保障を定めた与野党提出の子供関連法案の審議が4月22日、衆議院内閣委員会で始まった。この日は、こども家庭庁設置に伴う財源、子供コミッショナー設置や幼保一元化の問題などについて質疑が行われた。

財源
答弁する野田こども政策担当相(衆議院インターネット審議中継から)

 4月19日の衆院本会議で岸田文雄首相が教育関連予算の将来的な倍増に改めて触れたことに関連し、財源の確保策を問われた野田聖子こども政策担当相は「昨年12月に閣議決定した基本方針において、政府を挙げて国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め幅広く検討を進め、確保に努めていくこととしており、政府全体でもしっかりと議論する必要があると考えている。具体的にどのような手段で国民各層の理解を得るかについては、しっかり検討していくことになる」と答弁。

 その上で、「政策に関する予算については、こども家庭庁のもとで体系的に取りまとめていくことを考えている。政策を実施するためにどのような経費がかかるか、そのための財源をどうするかなどについては、子供に負担を先送りすることないよう、社会全体で負担の在り方を議論するなど、国民各層の理解を得ながら進めていくべきことと考えている」と子供の視点に立って議論していくとした。

 予算額がどれぐらいになるかを問われると、野田担当相は「岸田総理は、期限規模ありきではなく、将来的に倍増を目指していきたいと発言された。私としても、まずは規模ではなくて、子供の視点でその優先順位を考えつつ、安定財源を確保し、子供政策にしっかり取り組むことが重要だと考えている」と述べるにとどめた。

子供コミッショナー

 子どもの権利を擁護するため行政から独立して調査・勧告する第三者機関「子供コミッショナー」については、立憲民主党の「子ども総合基本法案」にその設置が明記されているが、与党提出の「こども基本法案」では触れていない。

 その必要性について野田担当相は「いわゆるコミッショナーについては、与野党においてさまざまな議論、提案がなされていると理解しているので注視している。政府としては子供の権利利益の擁護を任務とするこども家庭庁を創設することにしており、法案にあるこども家庭審議会などで子供や子育て当事者、有識者の意見も聞くことにより、公平性、透明性を確保しつつ、子供の最善の利益を実現できるよう、各省庁より一段高い立場からこの政策にしっかりと取り組む」とした。

 こども家庭審議会の人選について野田担当相は「同審議会の委員は、法案では内閣総理大臣が任命することになっている。人選の考え方については、現時点では具体的に答えることは困難だが、法案が成立したら、子供が自立した個人として等しく健やかに成長することのできる社会の実現に向けた基本的な政策に関する重要事項を調査、審議するにふさわしい体制にしていきたい」との見解を示した。

幼保一元化

 立民の「子ども総合基本法案」と日本維新の会の「子ども育成基本法案」では、省庁間の縦割りを排して、幼稚園と保育所の一元化など教育機能と福祉機能の統合が掲げられている。一方のこども家庭庁は教育機能を持たず、文科省との連携で施策を進めていくとしている。

 これについて野田担当相は「教育の振興は文科省の任務とされており、幼児教育を含む初等中等教育、高等教育および社会教育を一貫して担っている。教育行政の一体性を維持しつつ子供の教育の振興を図ることは、子供の成長を学びの側面から支えていく上で重要。このため、教育について文科省のもとでこれまで通り、その充実を図り、こども家庭庁で子供の育ちを保障する観点から必要な関与を行うことにより、両省庁が密接に連携して子供の健やかな成長を保証することとした。それぞれの目的を追求する中で、専門性を高めつつ、相互にしっかり調整して密接に連携する方が、政府全体としての施策の充実、質の向上になる」と強調した。

 この日の質問者は永岡桂子議員、吉川赳議員、松本尚議員(以上自民)、國重徹議員(公明)、中谷一馬議員、山井和則議員、堤かなめ議員(以上立民)、三木圭恵議員、阿部司議員、堀場幸子議員(以上維新)、塩川鉄也議員(共産)、緒方林太郎議員(有志)、大石晃子議員(れいわ)。

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