施設、指導者、会費など 運動部活動の地域移行提言案を公表

 スポーツ庁の運動部活動の地域移行に関する第6回検討会議が4月26日、オンラインを交えて行われた。これまでの議論を踏まえ、2023年から公立中学校における休日の部活動の地域移行を開始するための提言案が提示され、改めて出席委員による議論が行われた。

オンラインも交えて行われた運動部活動の地域移行に関する検討会議(YouTubeの画面から)

 提言案では、少子化による生徒数の減少や教員の負担軽減に加え、中学生が広くスポーツを楽しむことのできる環境整備のために、運動部活動をこれまでの学校単位から地域単位に移行させることが必要と指摘。そのためにまずは、休日の運動部活動を先行して段階的に地域移行させていくとした。

 地域のスポーツ環境を整備するにあたっては、多くの生徒がスポーツに親しめる機会を確保するため、運動部に所属している生徒だけでなく文化部、障害のある生徒なども広く対象とし、実施主体としては地域の事情に応じた総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団、クラブチーム、民間事業者、大学などを想定。

 地域移行に際しては、外部指導者の質と量の確保が課題となるが、質については各種指導者資格の取得を促進するほか、量の部分では部活動指導員の活用のほか、指導を希望する教師に兼職兼業の許可を与え、地域団体の業務を認めることも可能とした。指導者に暴力などの問題が生じた場合に対応するため、公平・公正に対処できる窓口や第三者機関の設置の検討も盛り込まれた。

 使用する施設については、地域によっては足りないケースもあるとみられることから、公共施設のほかに中学校のグラウンドや体育館、そのほかの校種の施設の利用も考えられるとした。ただし営利を目的として学校施設が使えないとされる場合には、運用の改善を図る必要があるとされた。

 これまで中学校単位だった大会参加資格についても、主催者に対して地域のスポーツ団体に所属する生徒も参加できるよう、国などからの要請も必要と指摘。大会開催時には、教師には生徒の引率や運営への参加も負担となっていたが、運用の改善を図って教師以外もできるようにする仕組み作りが必要とした。

 学校外のスポーツ団体に所属する場合に発生する会費については、保護者に大きな負担とならないように、国や地方自治体からの支援を行う体制作りを進めるとともに、保護者の理解を得ることも重要と指摘。経済的な困窮家庭に対しては、誰でもスポーツを楽しめる環境作りの観点から、地方自治体による費用の援助や地元企業による基金の設立などの方策も考えられるとした。

 さらに休日の運動部活動の地域移行が早期に達成されるよう、23年度から3年間を改革集中期間と位置付けた。この期間に各都道府県で移行に向けた具体的な取り組みやスケジュールを定めた推進計画を策定する必要があるとしている。その上で平日の運動部活動の地域移行へと進めていくことが想定されると結んでいる。

 提言案を受けて委員からは、「運営団体にとっては、平日も含めた地域移行にも関心があるので、それを積極的にやっていくという姿勢を明記してもらいたい」「地域移行した部活動は学校教育法でなく社会教育法の下での話になるので、それを記載する必要があるのではないか」「部活動の地域移行を推進する部局がどこになるのかということを明記しておかなければ、この流れは止まってしまうので実施主体を決めておくことをお願いしたい」「提言を受けて、それぞれ手引のようなものが作成されれば、各市町村としても動きやすい」「子供たちのスポーツ環境が大きく変わろうとしている中で、保護者も今後どういった関わり方をしていかねばならないのか、不安に思っている方々も多いのではないか」といった意見があった。

 今後、同会議ではこれらの意見とともに、次回のヒアリングの結果などを基に、提言案をさらに検討する予定としている。

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