交流・共同学習で不適切事例 特別支援学級の運用で通知

 小中学校などの特別支援学級に在籍している児童生徒が、通常の学級で学んだり、特別支援学級で適切な指導を受けたりすることが十分でない事例が明らかになったとして、文科省は4月27日、都道府県教委などに向けて、特別支援学級や通級による指導の適切な運用を徹底するよう通知した。昨年度に同省が初めて行った実態調査で、特別支援学級に在籍している児童生徒が、通常の学級で交流および共同学習を行う際に、特別支援学級で障害の状態や特性、心身の発達の段階などに応じた指導を十分受けられていないケースがあったと指摘。特別支援学級に在籍している児童生徒には、原則として週の授業時数の半分以上を目安に、特別支援学級で児童生徒の障害の状態や発達段階などに応じた授業を行うよう求めた。

 昨年度に文科省が抽出で行った特別支援学級や通級による指導の実態調査によると、特別支援学級に在籍している児童生徒で、総授業時数の半分以上を通常の学級で交流および共同学習として過ごしている割合は、小学校で54.95%、中学校で48.72%を占めた。その一方で、こうした通常の学級での交流および共同学習や特別支援学級で実施する授業時数については、教育委員会によって運用にばらつきがみられ、中には特別支援学級に在籍している児童生徒で、特別の教育課程を編成しているにもかかわらず、学習指導要領で定められている「自立活動」が設けられていないケースもみられた。

 こうした実態を踏まえ、通知では、特別支援学級に在籍する児童生徒の交流および共同学習の時数や、特別支援学級に在籍する児童生徒の「自立活動」の時数について、これまで文科省が示してきた内容をより明確化して示した。

 特別支援学級に在籍する児童生徒の交流および共同学習の時数については、特別支援学級に在籍している児童生徒が、通常の学級で各教科等の授業内容が分かり、学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしていることが重要であるとし、障害のある児童生徒が、必要な指導体制を整えないまま、通常の学級で交流および共同学習の指導を受け続けている状況は、実質的に通常の学級に在籍して通級による指導を受ける状況と変わらないため不適切と明記。

 来年度に特別支援学級から通常の学級に移ることが予定され、それに備えて段階的に交流および共同学習の時数を増やしているといった事情がある場合を除き、大半の時間を交流および共同学習として通常の学級で学んでいる場合は、学びの場を変更する必要があるとし、原則として週の授業時数の半分以上を目安として、特別支援学級で児童生徒の個々の障害の状態や特性、心身の発達段階に応じた授業を行うよう求めた。

 合わせて、改善が必要な具体的な事例として▽特別支援学級では「自立活動」と「国語」、「算数・数学」のみを学び、それ以外は通常の学級で学ぶといった機械的・画一的な教育課程を編成している▽全体的な知的発達に遅れがあるはずの知的障害の特別支援学級に在籍する児童生徒に対し、多くの教科で交流および共同学習中心の授業が行われている▽交流および共同学習において「交流」の側面のみに重点が置かれ、特別支援学級に在籍する児童生徒の個別の指導計画に基づく指導目標の達成が十分でない――などを挙げた。

 また、特別支援学級において特別の教育課程を編成しているにもかかわらず、「自立活動」の時間が設けられていない場合は、「自立活動」の時数を確保するべく、教育課程の再編成を検討することや、昨年6月に改訂した文科省の「障害のある子供の教育支援の手引」などを参照にしつつ、特別支援学級か、通級による指導か、どちらが適切かを入念に検討し、判断をするよう求めた。

 さらに、通級による指導では、自校通級、他校通級、巡回指導などの実施形態の選択にあたって、児童生徒が在籍している小中学校で専門性の高い通級による指導を受けられるよう、自校通級や巡回指導をいっそう推進することが望ましいとし、他校通級による児童生徒の移動時間や保護者の送迎の負担などの課題については、今後、文科省内で関係者の意見聴取をした上で、より教育的効果の高い運用の在り方について検討を行う予定であることも示された。

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