【全国学力調査】中学英語「話すこと」 23年度はオンラインで

 文科省は4月27日、「全国的な学力調査のCBT化検討ワーキンググループ(WG)」の第12回会合で、2023年度に実施が予定されている全国学力・学習状況調査での中学校英語「話すこと」調査を、オンライン方式によるCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)で実施する案を示した。データ量の大きい解答音声データを取り扱うことから、CBT方式の中でも技術的に難易度が高いことを踏まえ、調査日を分散して行うなどの対応により検証を進める。

 全国学力・学習状況調査では19年度から、中学校で英語調査を実施しており、23年度が次回の実施年度に当たる。19年度の前回調査は、各学校のコンピューター教室などの端末から、USBを利用したオフライン方式で実施。調査日当日に全校で一斉に行い、結果は全国値(参考値)として公表した。端末環境が十分でないなどの理由で、434校(約5万人)が特例として実施を見送ったほか、音声データの回収など、学校現場の負担が大きいといった指摘があった。

 次回はGIGAスクール構想による環境整備が進んでいることから、文科省のCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」を使い、1人1台端末を用いたオンライン方式で実施する。オンライン方式は、データ量が大きい解答音声データを扱うことから特に難易度が高く、調査全体のCBT化に向けた試行・検証段階と位置付ける。

 そのため、実施上の工夫として2週間程度の実施期間を設け、学校数を分散して実施する。当日は250~500校程度で実施し、その結果を全国値として公表する予定。その他の学校は調査日翌日以降、各学校の都合のよい日で実施し、結果は「参考値」として各学校に結果返却を行う。また「聞くこと」調査はCBTではなく、教室内で音声を聞き取る形式で実施する予定。

 昨年7月に公表されたWGの「最終まとめ」では、「教育委員会などの意見も踏まえつつ、技術的に可能な範囲で実施することが適当」とされたことを踏まえ、文科省は昨年12月、全国の教育委員会に対し、同時接続の状況についてアンケートを実施。1つの学年全体で同時にインターネット接続をする活動について、約6割が「ほぼ全ての学校で円滑にできる」と回答した一方、約4割は「遅延等が発生する可能性がある」と答えた。また、「同時に複数回線がアクセスすることによって通信環境が不安定となる」「接続速度が十分でなく、公平な調査にならない」という意見も寄せられたという。

 こうした実態も踏まえ今年度は、10程度の市町村の小中学生を対象に、同日一斉または複数日に分散して実施する場合のシステム・ネットワークや実施面の検証、学校や学級、児童生徒の技術的トラブルへの対応など学校支援方策の検証、さまざまな解答形式の検証などを行う。実施時期は10~11月で、実証自治体の実施可能な日時で実施する。今年度の試行・検証に計上されている予算額は5400万円。

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