今度こそ給特法の抜本的見直しを 有志の会が署名を開始

 前回の法改正で2022年以降に再度国会で議論することとされた「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)について、現職教員や研究者らによる有志の会が4月28日、抜本的な見直しを求めるオンライン署名を始めた。署名では、教員の長時間労働の問題の根源は給特法にあるとして、「教職調整額」の改訂といった小幅な改正ではなく、教員も労働基準法に従って1日8時間労働を原則とし、「残業代」が支払われるようにすることなどを提言している。

 公立学校の教員に対し、月額給与の4%を「教職調整額」として支払う代わりに、超過勤務に対する残業代を支払わないことなどを定めた給特法は、学校における働き方改革の一環で19年の臨時国会で改正され、1年単位の変形労働時間制の導入や、教員の超過勤務時間の上限を指針として定めることとなった。このときの附帯決議では、3年後をめどに文科省が行う教員の勤務実態調査を踏まえ、給特法について抜本的な見直しに向けた検討を加え、必要な措置を講じることが盛り込まれていた。

給特法の抜本的な見直しを求めたオンライン署名のHP

 その3年後の見直しが迫っていることを踏まえ、オンライン署名を始めた「給特法のこれからを考える有志の会」では、給特法を大幅に見直し、公立学校の教員にも他の職種と同様、労働基準法を全面的に適用すべきだと指摘。1日8時間労働の原則の下、やむを得ない超過勤務に対して残業代が支払われ、残業の上限を超えた場合は管理職が罰せられるなどの運用にすべきだとした。そうすることで管理職の意識が変わり、膨大な仕事量に見合った人員の配置なども加速すると強調している。

 有志の会によるオンライン署名は、前回の法改正の際にも、変形労働時間制の導入反対などの署名活動を展開した公立高校教員である西村祐二氏をはじめ、学校の働き方改革でさまざまな提言をしている教育社会学者の内田良名古屋大学教授、中教審初等中等教育分科会で委員を務めた小室淑恵ワーク・ライフバランス代表取締役社長、室橋祐貴日本若者協議会代表理事らが呼び掛け人に名を連ねる。

 呼び掛け人の一人であり、教員を志望する中央大学2年生の宇惠野珠美(うえの・たまみ)さんは、日本若者協議会のメンバーとして若者の政治参加と教育の課題について政策提言をするうちに、「学校の先生の仕事をこれ以上増やさないようにしないと、提言した政策も学校現場で実現しないと気付いた」と、署名の呼び掛け人に加わった理由を話す。その上で「教員の給料は働いている時間と見合っていない。これではやりがい搾取だ。先生の仕事を選ぶことに躊躇(ちゅうちょ)し、途中で民間や他の公務員に志望を変える学生も多い。この状況を何とかしてほしい」と声を上げる。

 オンライン署名の内容はChange.orgの特設ページから確認できる。

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