加熱式たばこでの受動喫煙 1割がばく露、教育歴で格差

 加熱式たばこの受動喫煙によるばく露リスクには、教育歴による格差がある――。そんな結果がこのほど、東北大学大学院歯学研究科の研究グループが行った加熱式たばこによる受動喫煙の実態調査で明らかとなった。最近普及し始めた加熱式たばこによる一般住民への受動喫煙に関する研究は世界で初めて。1割程度の人が加熱式たばこの受動喫煙で毎日ばく露していることが分かった。

 タバコの葉を加熱して蒸気を発生させる加熱式たばこは副流煙が出ないため、受動喫煙のリスクはないと誤解されがちだが、受動喫煙の定義は吐き出された主流煙と副流煙が混ざったものとされており、紙巻きたばこと比較して一部の有害物質の含有量は少ないものの、加熱式たばこの受動喫煙によって、喉の痛みや気分不良を起こすことが報告されていた。

 研究チームでは、全国の研究者がインターネットを使って日本で加熱式たばこなどの新しいタイプのたばこが社会に及ぼす影響を調査する「JASTIS研究」に2017年から参加し、20~69歳の男女5221人に対して、毎年1回の追跡調査を実施。ひと月以内に自分以外の人が使っていた加熱式たばこの蒸気やミストを吸う機会が、ほぼ毎日あると回答した人を加熱式たばこによる受動喫煙へのばく露があると定義し、その割合の推移を調べた。

教育歴ごとの加熱式たばこによる受動喫煙へのばく露経験割合の推移(東北大学のプレスリリースより)

 インターネット調査であるため、データの偏りを補正した上で、17~20年の各年における加熱式たばこによる受動喫煙へのばく露割合を推計すると、17年は4.5%、18年は8.0%、19年は9.2%、20年は10.8%と増加を続けていた。女性や大学卒・大学院卒では、他と比べてばく露割合が低く、中学・高校卒の場合では、大学卒・大学院卒と比べて、ばく露リスクが約60%高いなど、教育歴の格差がみられることも分かった。

 また、研究チームでは、家庭における禁煙ルールの有無と加熱式たばこによる受動喫煙のばく露割合の関連も調べており、禁煙ルールの有無にかかわらず、ばく露割合は年を追うごとに増加しているものの、共に最もばく露割合の高い20年の時点でみると、禁煙ルールのある家庭のばく露割合は3.0%だったのに対し、禁煙ルールのない家庭では16.1%と、10ポイント以上の差が開いていた。

 研究チームの竹内研時東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野・准教授は「禁煙ルールのある家庭の数は禁煙ルールのない家庭の数の約2倍であり、禁煙ルールを設けている家庭の方がより一般的だ。それを踏まえ、加熱式たばこを利用している家庭では、子どもなどへの受動喫煙に注意を向け、家庭内で禁煙ルールを設けることが大事だ」と指摘する。

 この研究成果は、4月12日付の国際学術雑誌『Nicotine & Tobacco Research』に掲載された。

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