体育館でバーチャル体験 コロナ禍で失った機会を子供に

 コロナ禍にあって、学校生活でさまざまな制約を受けている子供たちに「見る・聞く・触れる」体験を提供することを目的に、東京都教委は5月2日、特別支援学校(肢体不自由・病弱)の都立光明学園(田村康二朗校長、児童生徒約200人)の校内で、バーチャル技術を活用したアトラクション体験を行った。田村校長は「コロナ禍で我慢の2年間だったが、子供たちは今日、とてもよい笑顔だった」と語った。

 今回の体験活動は、都教委が今年度実施する「子供を笑顔にするプロジェクト」の一環で、都内の全公立・私立学校(小学校、中学校、高校、特別支援学校)2611校を対象に、スポーツ観戦や芸術鑑賞など、さまざまな機会を提供するもの。都立光明学園では、都教委が専門の事業者と連携し、手や体の動きに合わせてデジタルアートが動くアトラクションを体育館に用意したほか、デジタル技術を使った球技「サイバーボッチャ」が体験できるコーナーも別室に設けた。

都立光明学園の体育館で、デジタルアートが映し出された壁に見入る車いすの生徒

 照明を落とした薄暗い体育館の中では、色鮮やかなデジタルアートが映し出され、あちこちでさまざまな音が響いた。車いすで入ってきた高等部の生徒たちは、食い入るように光の動きを見つめたり、手をひらひらと動かしながら、顔をほころばせたりした。別室に設けられたサイバーボッチャの体験コーナーでは、生徒が投球を成功させ、歓声を上げる姿も。新型コロナウイルスの感染対策のため、全校児童生徒を3学年ずつのグループに分け、時間帯をずらして体験を行った。

 田村校長は、今回の企画の背景について、「学年や障害の程度によらず誰もが笑顔になれることや、双方向性があって『こうすると映像が変わる』『得点が取れる』など、学習活動として主体的に関われる企画を(都教委に)お願いした」と語った。今年3月頃から都教委の担当者とともに準備を始め、設備の事前準備などは主に事業者と都教委が担ったため、同校教員の負担はほとんどなかったという。

 参加した高校3年生の新井うららさんは「一番楽しかったのはサイバーボッチャ。機械がアシストしてくれるので、初心者も含め、みなが楽しめると思った。バーチャル・アトラクションも見るのは初めてで、本当に新鮮で楽しかった。高校生活がコロナで大きな影響を受けたが、最後の年にこうした機会が得られてうれしかった」と、ほほ笑んだ。

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