「リケジョ」修学支援プログラムを創設 教育未来創造会議第一次提言

 日本の将来を支える人材の育成や大学教育の在り方について検討する政府の「教育未来創造会議」が5月10日開かれ、理系を目指す女子学生の経済的な負担を軽減するため官民共同修学支援プログラムの創設を盛り込んだ第一次提言を承認した。政府は、現在35%にとどまっている理系分野の学生の割合をOECD諸国で最も高い水準である5割程度を目指し、今後5~10年の間に集中的に意欲ある大学の主体性を生かした取り組みを推進させていく方針。岸田文雄首相は末松信介文科相に対して、提言をもとに具体的な施策の工程表を夏までに作るよう指示した。

教育未来創造会議で承認された第一次提言

 この日まとめられた提言によると、人材育成を取り巻く課題として、少子化の進行、デジタル人材やグリーン人材の不足、高等学校段階の理系離れ、諸外国に比べ低い理工系への入学者や修士・博士号の取得者、世帯収入が少ないほど低い大学進学希望者、進まないリカレント教育――などを挙げた。

 その上で、一人一人の多様な幸せと社会全体の豊かさの実現、ジェンダーギャップや貧困など社会的分断の改善、SDGsへの貢献、生産性の向上と産業経済の活性化、全世代学習社会の構築――をありたい社会像として設定。

 人材を育成する大学の機能強化の具体的方策としては、進学者のニーズを踏まえた成長分野への大学の再編促進・産官学連携強化、学部・大学院を通じた文理横断教育の推進と卒業後の人材受け入れ強化、理工系や農学系の分野をはじめとした女性の活躍推進、グローバル人材の育成・活躍推進、デジタル技術を駆使したハイブリッド型教育への転換――などを提案した。

 中でも女性の活躍推進に向けては、女子学生の占める割合の少ない分野の大学入試において女子学生枠の確保に積極的に取り組む大学に対して、運営費交付金や私学助成による支援を強化。大学教員の出産・育児といったライフイベントと研究活動の両立を支援する施策の充実など、女性活躍プログラム強化の方策を盛り込んだ。

 特に現在、学部の女性入学者に占める理工系の割合がわずか7%にとどまっており、OECD平均(15%)と比べて低い状況にあることを重視。理工系や農学系の分野へ進学を希望する女子学生の経済的な負担などを軽減するため、官民共同の修学支援プログラムを創設して学びを後押しすることとし、今後具体的な内容を詰めていく。

 さらに、幼少期からの保護者や学校、社会による理数への学びに対するジェンダーバイアスを排除していくほか、中学校、高校への出前講座、ロールモデルに出会う機会の充実など、理系選択者の増加に向けた取り組みを展開することとしている。

 会議の締めくくりにあたって、岸田首相は「提言において示された各事項のフォローアップと必要な見直しを行うとともに、新しい資本主義の実現に向けたわが国の教育と人材育成に関わる課題の解決に向け議論を継続していく」と述べた。

あなたへのお薦め

 
特集