教員採用試験の早期化に意欲 文科相「時代に追い付いていない」

 教員不足に対する当面の対応の一つとして、末松信介文科相は5月10日の記者会見で、現在の教員採用選考試験について、「民間企業が先に内定を出してしまってから、まだ試験をやっているようでは、時代に追い付いていない」と述べ、スケジュールの早期化に意欲を表明した。具体的には、大学3年生で1次試験を受け、4年生になってから教員採用の内定を得られるスケジュールを想定していることを明らかにした。

教員不足への対応について説明する末松文科相

 末松文科相は、教員不足に対する当面の対応について記者から問われ、4月28日に全国の都道府県・政令市の教育長を集めた緊急のオンライン会議を開き、特別免許状の積極的な活用による社会人の登用や、教員養成大学と連携した卒業生や同窓会への呼び掛け、離職した教員や免許状を持つ社会人の任用などを働き掛けたことを説明。「ありとあらゆる手段を講じて、教師の確保に取り組んでいただきたい、と直接要請した。任命権者である都道府県・政令市の教育委員会には、教員の確保に全力で取り組んでいただきたい」と、語気を強めた。

 その上で、「教員採用選考試験の早期化を図るべきではないか、あるいは複線化を図るべきではないかと思っている」と切り出し、「民間企業が卒業予定の就職希望者に先に内定を出してしまってから、まだ試験をやっているようでは、時代にマッチしていないというか、追い付いていない」と説明。教員採用選考試験のスケジュールを早期化するべきだとの考えを表明した。

 中教審が今年夏ごろに予定している中間取りまとめに方針が示されるとの見通しに触れつつ、教員採用選考試験のスケジュールを早期化する具体的なイメージについて、「私としては、3年生で試験を受けていただいて、4年生になってから内定していくことになろうかな、との想定もしている」と明らかにした。

 末松文科相は「教育界も、良い人材が必要であれば急ぐべしとの考え方でいる。早期化を図って、人材を獲得していく。悠長なこと言っていては駄目」と述べ、教員採用を担う都道府県や政令市の教委に対応を促した。

 教員採用選考試験のスケジュールを巡っては、今年1月31日の中教審教師の在り方特別部会基本問題小委員会の席上、文科省は大学3年で1次試験を受験可能にしたり、特定の専門性を重視した特別選考を促進したりするなど、受験時期の早期化や受験ルートの複線化を検討する考えを示した。

 また、末松文科相は、4月28日に行われた都道府県・政令市の教育長とのオンライン会議で、「多様で質の高い教職員集団を構築できるかどうかは、これからの教育の最も重要な鍵になる。言い換えれば、民間企業との人材獲得競争の中で、いかに優秀な人材を教育界に得ることができるかにかかっている。採用選考試験の早期化・複線化という点で、大学3年時から受験ルートの設定などを含め、本当にこれまでのスケジュールや選考方法で優秀な人材を得ることができるのかどうか、改めて一から考えるときにきているのではないか」と危機感をあらわにし、民間企業との競合を意識した教員採用選考試験のスケジュールを早急に検討する必要を訴えている。

あなたへのお薦め

 
特集