教職員の懲戒基準 47の具体例を明示、滋賀県教委

 滋賀県教委はこのほど、47の具体的な事例を明示した懲戒処分の基準を策定し公表した。服務規律を徹底させるため、他の自治体でも人事院の指針などを基に処分基準改定が進んでいるが、同県教委では公務外であっても痴漢や盗撮をした場合には免職を含む厳罰で臨むとする厳しい内容になっている。

 同県教委が公表したのは「滋賀県公立学校教職員の懲戒処分の基準」。処分基準は、これまでは飲酒運転とわいせつ行為の2つの分野しかなかった。全国的に教職員による不祥事が社会問題化しているため、同県も「未然に防ぐための抑止効果」(教職員課)を期待し、人事院や他府県の基準を参考にまとめ上げた。

 懲戒処分の対象となりうる分野は①一般服務②児童生徒関係③飲酒運転④公金の取り扱い⑤公務外の非行⑥監督責任――の6つ。それぞれの分野で、どのような行為が処分に当たるのかなどを詳しく表記している。例えば、セクハラだと「わいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患(りかん)したときは、免職または停職とする」。パワハラを繰り返す教職員については「指導、注意等を受けたにもかかわらず、繰り返し行った教職員は停職または減給とする」としている。

 滋賀県が独自に設けた基準もある。教職員の妊娠や出産などに絡むマタニティハラスメントはその1つ。「妊娠・出産・育児および介護に関するハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的または身体的な苦痛を与えた教職員は停職、減給または戒告とする」と規定した。

 さらに学校現場の外での行為についても、刑事事件を起こした場合を中心に14項目について厳格な規定を設けた。とりわけ痴漢と盗撮については他府県よりも厳しい処分になっていて、それぞれ「免職、停職または減給とする」とした。その理由について、「教員は学校の外であっても社会人としての自覚が問われていることに加え、過去の事例で懲戒処分とした実例があるから」(教職員課)としている。

 同県の教職員の懲戒処分の件数は、2019年度が8件、20年度6件だったが、翌21年度は12件と倍増。15年度と並んで過去最高になった。20年度には公立小学校の校長が女性教員に無理やりキスをするなどして停職6カ月の懲戒処分になったほか、今年3月末には教科担当の男子生徒に3回、性的な内容のメッセージをLINEで送り付けた男性教員(停職3カ月)や、女子生徒にSNSで「キスしたい」というメッセージを送った別の男性教員(停職1カ月)など4人が懲戒処分を受け、不祥事が相次いでいる。

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