文化部活動を「学習指導要領」「入試」から検討 地域移行会議

 中学校の文化部活動の地域移行を議論している文化庁の検討会議(第3回)が5月11日、オンラインを交えて開かれた。運動部活動の地域移行の検討と並行して行われている同会議ではこの日、学習指導要領における部活動の位置付けや、高校入試における評価、教員の採用選考の問題の3つの論点から検討が加えられた。

オンラインを交えて開かれた文化部活動の地域移行に関する検討会議(YouTubeの画面から)

 この日、事務局が示した論点の一つ、学習指導要領の総則において部活動は「学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること」とされている。この文言が、教育課程外の活動であるにも関わらず部活動は必ず学校で設置・運営しなければならず、教師が指導しなければならないとの誤解を生んできたと指摘。

 参加を強制されるものではなく、自主的・自発的な意思を尊重し、どのような生徒でも参加しやすい活動内容や時間の工夫を行い、教師に限らず部活動指導員や外部指導者など適切な指導者のもとで行われる必要があるとした。

 また将来、部活動が学校で必ず設置・運営されるものでなくなり、地域で文化・スポーツに親しむ環境が整備されることを想定して、学習指導要領の当該箇所の削除などが考えられるとした。

 さらに、高校入試における調査書で部活動の実績がどのように評価されているか明確でない実態にも触れ、生徒や保護者が入試において有利になることを過度に期待して大会などでよい成績を収めようと、部活動の過熱化や長時間化を招いていると説明。求められる対応としては、調査書に部活動などを記載する際は、大会成績だけでなく活動から判断できる生徒の態度や責任感、協調性などを幅広く言及する必要を指摘し、教師の負担も考え、必要以上に記載量を増やさないという留意点も示した。

 一方、教師の採用選考や人事配置でも部活動の実績や指導力を過度に評価しないよう指摘し、改める必要があるとした。

 出席した委員からは「学習指導要領から削除してしまうと、要領にないのだから学校からまったく部活動がなくなると判断することもできてしまう」「高校入試では勉強の成績だけでなく、個々の能力を評価してきたが、それにブレーキがかけられるように感じる」「スポーツ庁側でも検討が進んでいるが、文化部活動には特有の事情があるので、慎重に議論を進める必要がある」「学校から切り離された部活動と通常の習い事との差はどこにあるのか」「部活動を学校でやらなくなるといっても、子供から機会を奪うわけではなく、誰が責任をもって継続していくかということが大事だ」などの意見が挙がった。

 また議論に先立って、各地で先行して取り組みが進んでいる文化部活動の地域移行の実践事例が報告された。発表したのは兵庫県教委、富山県教委、静岡県教委、徳島県教委など。それぞれのアンケートなどでは活動状況について生徒、保護者らから前向きな評価が多く示される一方、楽器運搬にかかる経費や活動施設の確保、学校施設利用の場合の施錠、外部人材の確保といった問題が共通して指摘されていた。

 委員からは「土日に活動が行われている場合に、実際に顧問の教師は立ち会っているのか」「その際に、立ち会う教師はどのような資格での参加となっているのか」といった質問が出た。

あなたへのお薦め

 
特集