京都市のPTA組織、全国組織の退会否決 根強い慎重論

 PTA活動の見直しが全国で広がる中、京都市の小中高校などのPTAでつくる協議会が5月11日、上部組織にあたる「日本PTA全国協議会(日P)」から脱退するかどうかを巡り、異例の採決に踏み切った。退会案は反対多数で否決され、協議会は日Pにとどまることになったものの、強制的な加入や負担の重さなど多くの課題を抱える各地のPTA運営を巡る議論に影響を投げ掛けそうだ。

 この協議会は「京都市PTA連絡協議会(京都市P連)」。京都市立の幼稚園や小中高校、総合支援学校合わせて255園・校(約7万6000世帯)が所属する各PTA組織を束ねている。代表の大森勢津会長が今年3月の理事会で、「組織が形骸化している」などとして、全国組織の日Pからの退会を提案。採決を行うことを決めた。もし退会が決まれば、日P傘下の都道府県・政令市の組織では初のケースとなるとして注目されていた。

 大森会長は退会の理由について「(日Pは)課題について意見交換する場が少なく、現場の声が届かない。財政的な負担や活動の負担も重い」などを理由に挙げていた。京都市P連によると、同協議会の年間予算は各園・校の会員から集めた会費約450万円。このうち約84万円を日Pに納めているほか、例年8000人規模で開かれる日Pの全国大会やブロック大会などに役員らを参加させるなどしてきた。そのための参加費や旅費の負担がかさみ、予算を圧迫しているという。

 退会案の賛否を巡り、京都市P連は4月から5月にかけて、保護者や学校長などで構成する理事40人による投票を行い、11日に開票した。結果は反対30、賛成5、会長一任1、棄権4で、提案は反対多数で否決され退会は見送りになった。この結果を受けて大森会長は11日に記者会見し、「理解を得られず残念」としながらも「課題を届けられたことは意味があった。日Pと下部団体の関係は引き続き議論されるべき課題だ」と話した。

 日Pからの退会は他の自治体でも相次いでいる。岡山市PTA協議会は2009年、政令市への移行をきっかけに日Pから退会。奈良市PTA連合会は19年に奈良県PTA協議会を退会し、結果的に日P傘下から外れた。高知県では高知市小中学校PTA連合会が、上部の県の組織の会費値上げを理由に今年3月末に退会し、日P加盟から外れた。京都市と同じ政令指定市の川崎市でも、同市PTA連絡協議会の内部で日Pの会費負担や大規模な全国大会の開催ぶりに疑問の声が上がっており、退会を巡る議論が続いている。

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