特異な才能のある児童生徒 有識者会議が骨子案を検討

 特定分野に特異な才能のある児童生徒への指導や支援の在り方について検討している文科省の有識者会議は5月13日、第10回会合をオンラインで開き、これまでの審議を踏まえて加筆修正された骨子案について協議した。岩永雅也座長(放送大学学長)が今後取り組むべき施策として、研修の充実や、環境の充実、実証研究などを挙げ、それに対して委員からは「研修にはオンデマンド型も積極的に活用すべき」「実践例を集めたプラットフォームが必要」などの意見が出された。

 知能や創造性、芸術、運動、特定の学問ごとの能力において、同年齢の児童生徒の中で一定以上の能力を有する「特定分野に特異な才能のある児童生徒」は、その能力や特性が故に、学習活動上・学校生活上の困難を抱えることがあると指摘されている。しかし、これまで日本の学校では、そうした児童生徒を念頭においた指導や支援の取り組みはほとんど行われてこなかった背景がある。

 今後は、全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実の一環として、学校外とも連携し、特定分野に特異な才能のある児童生徒に対して、きめ細やかな指導・支援を行っていく必要がある。岩永座長からは、今後取り組むべき施策として、▽周知・研修の促進▽環境の充実▽特性等の把握(見いだし)の支援▽学校外機関の情報集約・提供▽実証研究――の5つの柱が提案された。

 福本理恵委員(SPACE代表取締役)からは研修に関して、「教員の多忙化という現状も踏まえ、オンデマンド型を活用して効率化するのもいいのではないか。また、外部機関でやっていることを動画で記録しておき、教員のスキルアップに役立てるような実践研修があってもいい」と提案があった。

 実証研究について、秋田喜代美委員(学習院大学教授)からは「これまで実践を蓄積していく場がなかった。持続可能な形で多様な事例を学んでいけるようなプラットフォームをつくる必要があるのではないか」と意見が出された。

 今村久美委員(認定NPO法人カタリバ代表理事)は「学校外のリソースを、誰がどのように充実させていくのかが大きな課題」と指摘。「学校外機関と連携したくても出来ない地域が、まだまだたくさんあることを前提に考えるべき。各自治体単位ではなかなか進まないので、都道府県単位の責務にすることをはっきりと明記すべきではないか」と提案した。

骨子案の取り組むべき施策について意見する中島委員

 また、中島さち子委員(steAm代表取締役)からは「骨子案の全体的なトーンとして、『困難』というマイナスなイメージが前面に出過ぎてしまっている。それぞれが持つ特性が肯定されていくことに価値がある。これまでの文化を変えていく上でも、多種多様に才能を評価していけるような、肯定的なメッセージも入れたい」と要望があった。

 同会議では今後も骨子案について協議し、今年度中に最終まとめの内容を固める方針。

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