いじめ加害者に校長判断で「分離措置」 自民PTが提言案

 自民党文部科学部会の「学校現場のいじめ撲滅プロジェクトチーム(PT)」は5月13日、いじめ加害者に対し、集団的な学習活動への参画を校長権限で制限できる、新たな懲戒処分制度を創設することなどを盛り込んだ提言案を了承した。現行の教育委員会による加害児童生徒の出席停止措置は運用が難しいとして、校長の権限で迅速に行える「分離措置」(仮称)を新たに設け、オンライン授業などによる学習保障を行いつつも、校内への立ち入りを禁じる。座長を務める三谷英弘衆院議員は「被害者が転校して逃げなければならないのに、加害者がのうのうと学校に通い続ける現状はおかしい」と、被害児童生徒を迅速に守ることの重要性を訴えた。

提言案をまとめた自民党文科部会PTの会合

 PTでは、公立の義務教育段階では加害児童生徒の退学・停学などの措置を取れず、現状の出席停止措置も「手続きが煩雑で活用実績が極めて少なく、十分に機能していない」と指摘。そのため提言案では、口頭指導・保護者への報告を行っても改善が見られない場合や、緊急性が高い場合には、教育委員会による出席停止措置の前段階として、校長が「分離措置(仮称)」を講じられるよう、学校教育法施行規則の改正の検討を行うことを求めた。

自民党「重大ないじめが生じた場合の段階的措置」

 こうした措置を行った場合の、加害児童生徒の「教育を受ける権利」について、三谷座長は「GIGAスクール構想で整備された1人1台のタブレットを活用し、加害児童生徒は原則として自宅でオンラインによる指導を受けることで、教育を受ける権利を保障する。被害児童生徒が不登校となれば、教育を受ける権利が現実的に害されることも考慮する必要がある」と説明。被害児童生徒の不安を考慮し、加害児童生徒は別室指導でなく、自宅など学校以外の場所で学習保障を受けることを原則とする。

 提言案では他にも、いじめを認知した場合には即座に警察や児童相談所への相談を開始すること、「いじめ」という言葉であいまいにされてきた行為の中にも犯罪に該当するものがあることや、被害者の自殺など重大な結果を生じる恐れがあることを児童生徒に周知徹底すること、教育委員会ではなく首長部局に直接受け付ける相談窓口を設置すること――といった対策を盛り込んでいる。

 PTは来週の文科部会で同提言案の了承を得た後、月内をめどに末松信介文科相に提出する予定で、年内の施行規則改正を要望する方針。

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