コロナ禍で児童館の利用者が大幅減 83市区町村が廃止検討

 コロナ禍によって、児童館の開館日数や来館者数が大きく減少していたことが、児童健全育成推進財団が行った「2021全国児童館実態調査」で5月17日、明らかとなった。児童館がある自治体でも、施設の老朽化や利用対象者の減少などにより、83市区町村が廃止を予定・検討中となるなど、児童館が少子化や新型コロナウイルスの影響にさらされていることが浮き彫りとなった。

 この調査は5年に一度、悉皆(しっかい)で行われ、今回は全国にある児童館4397カ所と1741市区町村に、昨年10月1日から今年1月11日に質問紙を送付。市区町村では1163件、児童館では3621カ所から回答があった。

 自治体に行った調査によると、児童館の設置率は60.6%で、2015年度に実施した前回調査とほぼ変わらない1.7ポイント減だった。回答のあった市区町村で小型児童館を設置しているのは79.7%、児童センターを設置しているのは37.6%だった。

 また、2025年度末までに児童館の新設を予定・検討中と回答したのは、すでに児童館がある場合で39市区町村、児童館がない場合では9市区町村と、一定の新設の見込みがみられた一方、施設の老朽化や利用対象者の減少などの理由から、すでに児童館がある場合で25年度末までに廃止を予定・検討中なのは、83市区町村あった。

年代別の延べ利用者の平均値

 児童館に対する調査によれば、新型コロナウイルスの影響があった20年度の開館日数は平均で254.9日で、開館予定日数の平均である288.4日との差をみると、平均33.5日の臨時休館が生じていた。延べ利用者数の平均値をみても、前回調査と比べ小学生を中心に大きく減少しており、0~2歳児や中学生、高校生では半分以下となっていた。

 18年に改正された厚労省の「児童館ガイドライン」に基づく活動内容をみてみると、「子どもが意見を述べる場の提供」の62.9%(前回調査比3.9ポイント増)、「配慮を必要とする子ども(要保護児童)への対応」の69.8%(同4.7ポイント増)などが増えた一方で、「子育て支援の実施」の85.7%(同2.6ポイント減)、「ボランティア等の育成と活動支援」の54.3%(同7.2ポイント減)など減少したものもあった。

 これについて同財団の担当者は「ガイドラインの改正で子どもが権利の主体であることが強調され、子どもが意見を言う場を設ける児童館が増えた。こうした点は、児童館の在り方として認知が進んでいるのではないか」とみている。

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