「国の財政支援を」 運動部活動の地域移行でヒアリング

 運動部活動の地域移行に関する第7回検討会議が5月19日、オンラインを交えて行われた。これまでの会議を踏まえて前回示された提言案について各関係団体からヒアリングし、移行にあたっての国の財政的な支援を求める声が相次いだ。

オンラインも交えて行われた運動部活動の地域移行に関する検討会議(YouTubeの画面から)

 同会議では、2023年度から休日の運動部活動の地域移行を目指している。前回示された提言案では、地域移行に際して外部指導者の質と量の確保、利用スポーツ施設の確保、移行後の全国大会をはじめとした大会の在り方、生徒らの会費・保険などの面から課題の指摘を行い、解消策を打ち出した。

 この日、ヒアリングに出席したのは全国の知事、市長ら首長、教委それぞれの関係団体や教職員組合、スポーツ団体など。特に指摘が多かったのが移行に伴って発生する経費への財政支援要望、人材確保やスポーツ施設確保の困難さ、地域間格差だった。

 全国町村教育長会は「都市部と異なり町村では休日部活動の受け皿となる組織や団体の数が少ない上、指導員の確保も難しい」という実態を指摘。これまで教職員が担当してきた部活動を地域移行するに際して発生する経費の負担については「小さな自治体では負担が大きく、国や県からの補助は必要」とし、都市部と地方との格差を解消するための検討を求めた。

 全国町村会でも同様に、「地域移行した場合の費用は受益者負担が原則だが、実際の費用と保護者の思いとの間に差があると公的な支援が必要となってくる」と述べ、やはり都市部との格差を認めた上で、地域移行を全国一律に進めるのではなく、生徒の立場に立って段階的に進めるよう要望した。

 全国知事会からも、地域によっては受け皿となるスポーツ団体が少なく、規模が小さいことや指導者の確保が難しいこと、会費などの保護者負担などが課題として挙げられた。国に対しては、地域のスポーツ施設・団体の立ち上げや運営の質の充実のために必要な財政措置、保護者・生徒の意見を十分に反映した取り組み、教職員が学校外で兼職兼業する際の運用指針の提示――などを求めた。

 日本教職員組合と全日本教職員連盟も同様に、国の財政支援が必要との認識を表明している。

 一方、全国市長会では4~5月に実施したアンケートを基に、「受け皿となるスポーツ団体が確保できない場合は、拠点校制度の推進など既存の学校の枠組みを活用することを留保すべき」としたほか、人材の育成や施設の確保、費用負担の問題の条件整備などに時間を要することから、来年度からの導入について、「地域の実情に応じて『可能な限り早期の実現』とすべきとし、拙速とならないようにくぎを刺した。

 ほとんどの団体が、地域移行にあたっては関係する保護者、生徒のみならず一般の人々の理解も必要であるとし、周知徹底を図ることが重要と強調した。

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