授業ストや給与未払い相次ぐ 和歌山の高校を県が調査へ

 和歌山・静岡両県は5月23日までに、給与未払いに伴う教職員のストライキや就学支援金の不適切な取り扱いなどが相次いでいる和歌山県内の私立高校の学校法人「南陵学園」(静岡県)に対し、近く私立学校法などに基づき異例の現地調査に踏み切ることを決めた。学校法人の本部が静岡県に、学校が和歌山県にそれぞれあるため、両県が合同で理事長などから財務状況を聞き取ったり、関係書類の提出を求めたりして経営実態の把握を進めるものとみられる。

 この学校は和歌山県日高川町にある私立和歌山南陵高校。全日制の生徒は3学年で合わせて168人。教職員は25人。同高では今月11日、校長を除く教職員23人が4月分の給与の未払いなどを理由に授業のストライキを実施した。給与は同月28日に支払われる予定だったが、「再三の説明要求に学校法人側が応じなかったため」としている。その後、地元の労働基準監督署から是正勧告を受け、給与はようやく5月20日に支払われた。

 ストライキは11日の1日限り。関係者によると、教職員は同日、登校した生徒たちを前に全校集会を開いて事情を説明し謝罪したという。同日の授業は自習となった。教職員は当初、3日連続のストを計画していたが、翌日以降は生徒への影響を考慮し取りやめた。

 和歌山県によると、この学校法人は、国が授業料を負担する就学支援金制度を巡り、国の支援金2000万円を受け取りながら、生徒から集めた授業料の一部を期限の3月末までに保護者に返還しなかった。このため4月に県が指導。ようやく同月末に返還するなど不透明な会計状況が続いている。このほかにもガス料金の滞納で、生徒が入る寮のガスが止められて入浴や調理に支障が生じたり、修学旅行先を海外から同県内に切り替えたことで生じた差額金を保護者に返さなかったりするトラブルが相次いでいた。

 同高校は、生徒数の減少で長く休校となっていた別の私立高校を、同学校法人が引き継ぐ形で2016年4月に開校。定員は3学年合わせて360人なのに対し、在校生の数はその半分以下しか集まっていない。4月末に理事長が教職員向けに配布した文書には、「生徒数の減少により学園の運転資金がままならない」として謝罪する内容が書かれていたという。

 学校法人側は23日に理事会を開き、理事長の退任などを協議する予定だったが、同法人の顧問を引き受けている弁護士事務所は「予定されていた理事会は開かれなかったようだ」と話している。

 学校法人の認可・指導権を持つ静岡県では「これまでも定期検査を行って適正対応を求めてきたが、このたびのトラブルについて事実関係がどうなっているのか法人側に説明を求めているものの、これまできちんとした説明がない。適切な学校運営のために指導監督を徹底させる」(私学振興課)としている。このため近く和歌山県の職員とともに現地調査を行い、実態解明に乗り出すことになった。

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