部活動指導「地域移行が急務」 有識者会議が茨城県教委に提言

 教員の働き方改革と部活動指導の改善を両立させようと、茨城県教委の有識者会議はこのほど、具体的な施策を盛り込んだ提言書をまとめ公表した。部活動の運営を地域のスポーツクラブなどに委ねる「地域移行」を柱に、休日返上で指導にあたる中学・高校の教員を「2025年度末までにゼロにする」目標を掲げている。スポーツ庁が設置した検討会議が4月に公表した提言案に沿った内容だが、中学に絞った同庁案の達成時期を、同県では高校も含めて25年度としたことが特徴という。

 茨城県教委は今年、公立中学・高校で働く教員の働き方改革を踏まえた部活動の在り方について、問題に詳しい大学教授や高校の校長、民間スポーツ団体の関係者など11人からなる有識者会議(委員長・柴田一浩流通経済大スポーツ健康科学部教授)を発足。2月から5回の会議を重ねて提言書の取りまとめにこぎ着けた。

 それによると、部活動の現状が「勝利至上主義」に走りがちになり、長時間化によって教員の超過勤務につながっていると指摘。学校が小規模化する中で、生徒が希望するスポーツなどの指導を受けられるようにするには、改革が急務と強調している。その上で、休日の部活動を、地域の民間のスポーツクラブに委託したり、外部人材を指導員として派遣したりする方法などに段階的に切り替えることで、休日の部活動指導をやがてゼロにするとしている。

 目標の達成時期については、提言書は同県が従来考えていた28年度を前倒しし、「中学・高校ともに25年度末」とする方針。県教委の担当者によると、「スポーツ庁の4月の提言案では、達成時期を中学だけに限り、高校などは『実情に応じて取り組む』としているが、茨城県では中高ともに25年度とさらに前倒しにした」(保健体育科)という。

 県教委では昨年、公立中学の教員を対象に、働き方改革に絡む勤務時間の調査を実施。大半の月で文科省が定める上限の45時間を超えていた。最多だった昨年6月は全教職員の35%が80時間以上の超過勤務だったという。こうした実態を踏まえ、部活動の地域移行への在り方として、①地域の民間スポーツクラブへの委託②休日だけ複数校が合同部活動を行い、民間指導員を依頼する③企業や大学の外部人材に指導を委託する――などの方法を例示している。

 民間団体や外部指導員を用いる場合には、新たに費用が発生して生徒の保護者の負担が増えるため、提言書では「地方自治体による減免措置や国による支援」を検討するよう求めている。

 提言にはこのほか、スポーツ大会への年間の参加回数について「休養時間の確保のために上限を設けるべき」と制限したり、部活動の時間を「平日は2時間程度」と定めている現在の県教委の運営方針を守っていない学校に、「スポーツ医学・科学の観点から強く是正を求めるべき」などと厳しく求めたりする提案も盛り込まれている。

 提言書の提出を受けて、県教委では具体的な全体計画の策定作業に入った。また、一連の議論のプロセスや結論を広く他の自治体や学校関係者にも知ってもらうため、提言書や5回にわたる会議の内容などについて、HPで公開している。

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