新会長に石崎都立桜修館中等教育学校校長 全高長が総会

 全国の高校の校長らで構成される全国高等学校長協会(全高長)は5月25日、第74回総会をオンラインで開催し、新会長に東京都立桜修館中等教育学校の石崎規生校長を承認した。会長就任にあたり石崎校長は「私たちは全国の高校生のことを考え、一番困っている地域、学校の生徒に寄り添う」と述べ、2025年度からの大学入学共通テストにおける「情報Ⅰ」の出題への対応をはじめとする、山積する高校教育の課題に取り組んでいく姿勢を強調した。前会長で同協会顧問に就任する杉本悦郎(えつお)都立町田高校校長は退任のあいさつで、大学入試改革における高校現場と大学のギャップを指摘した。

 石崎校長は18年度から昨年度まで、同協会大学入試対策委員会委員長として、同協会としても異例となる英語民間試験の活用延期を要望するなど、共通テストの課題に奔走してきた。

就任あいさつを行う新会長の石崎校長(Zoomで取材)

 会長就任のあいさつで石崎校長は、こうした大学入試改革の動きに触れて、「全国の都道府県協会長をはじめとする多くの校長先生方から、自分の地域や学校にとって大きな影響がないことでも、私たちは全国の高校生のことを考え、一番困っている地域、学校の生徒に寄り添い、校長先生を支えるべきだとの声をいただき、全国の校長先生の声を一つにする本協会の素晴らしさを改めて感じた」と強調。

 「新学習指導要領下での共通テストにおける『情報Ⅰ』の導入等についても、各大学の利用方法が2年前ルールによって今年度内に具体的に示されることになっている。加えて、高校における1人1台端末の導入の推進、教員免許更新制の廃止と新たな研修制度の導入、教員不足の解消と働き方改革の推進など、課題が山積している」と指摘した。

 また、新学習指導要領への移行が今年度から年次進行で始まったことや、スクールポリシーの策定、観点別評価の導入への対応も課題に挙げ、「本協会として各研究委員会等における研究協議を深めるとともに、常に難しい判断を求められている校長先生方の学校経営に役立つ情報提供に努めながら、今年度も全国の会員の皆さまの力を結集して取り組んでいきたい」と力を込めた。

 一方、前会長の杉本校長は、退任のあいさつで英語民間試験の大学入試への活用と共通テストでの「情報Ⅰ」の出題に関して、研究協議会での全国の校長らとの議論を振り返った。英語民間試験の大学入試への活用については「英語4技能を身に付けさせる授業改善は全国的に進んでいるものの、地域格差、経済格差については解消されていないことが明らかとなった。また、英語民間試験の結果を大学入試で利用することについては賛否それぞれの考えがあり、統一した見解を見いだすことはできなかった。大学入試の在り方に関する検討会議が取りまとめた提言において、地理的・経済的事情への配慮が記されているものの、大学入試英語成績提供システムの見送りの段階等で指摘された諸課題が解決されなければ、活用促進は果たされない」と指摘。

 「情報Ⅰ」の共通テストへの出題についても、国立大学協会に対して「情報Ⅰ」を一律に課すことについては慎重に検討してもらいたいことや、共通テストで情報を課す場合は、課す理由をアドミッションポリシーとの関連を明らかにして丁寧に示すとともに、志願者の納得が得られるよう、説明責任を十分に果たすよう促してほしいと要望してきたことに触れた上で、「これまでの研究協議会の情報などから、英語民間試験の受験状況や教科情報の指導体制、授業内容等、さまざまな状況は都道府県によって異なり、各地域の実態について高大の相互理解が一向に進んでいないことが分かった」と懸念を示した。

 この他、総会では副会長の承認や決算・予算報告などがあり、全ての議題を承認して閉会した。続いて、明日まで各ブロックの校長による実践報告を中心とした研究協議会が行われる。

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