全小中学校で校則の見直しを 広島県三原市教委がガイドライン

 広島県三原市教委はこのほど、公立小中学校の校則の見直しに関するガイドラインを策定した。同市内の各校は今後、特別活動などの時間を活用して全学級で校則について協議したり、ICTを活用して校則に関するアンケート調査を実施したりしながら、校則について教職員と児童生徒が話し合い、児童会や生徒会が主体となって校則の見直しに取り組んでいく。また、今年度中に各校のホームページで校則を公表するとしている。

 児童生徒が自分たちの決まりは自分たちでつくり、自分たちで守るという民主主義の基本を身に付け、自分たちでより良い学校をつくっていく風土を醸成していくため、同市では▽児童生徒が自ら考え、自ら決めていくような仕組みの構築▽必要かつ合理的な範囲内で制定▽校則を公表――という3つの観点から校則の見直しに取り組む。

 同市教委の担当者は「校則はこれまで教員主導で決められてきた面が大きかった」と説明。校則においても児童生徒自身が主体的に考え、行動できるようにしていくことが大切だとし、教職員と児童生徒が共に話し合うことができるように、児童会や生徒会などが主体となって、見直しに取り組む仕組みをつくっていく。

 小学校においては、学年によって発達段階に幅があるため、例えば低・中学年では特別活動などの時間を活用して、「そもそも決まりとは何なのか?」「なぜこういうルールに決まったのか?」などを話し合いながら、ルールの在り方などを学んでいく。高学年では児童会などで、「より良い学校生活を送るために」「安心安全な学校をつくるために」などの視点から、現状の決まりで見直しが必要なものがあるか協議していくようなことを想定しているという。

 中学校では、ほとんどの学校で5月末~6月にかけて生徒総会を設けている。そのため、すでに各校ではICTを活用して全校生徒に校則に関するアンケート調査を実施するなどしており、校則の見直しに向けて生徒会が主体となって動き出している。

 例えば、午後6時まで部活動をしているある中学校では、午後5時半に下校準備を促す放送が流れるが、生徒からは「放送を午後5時45分にしてほしい。その方が自分たちも片付けを効率的にやれるし、その分、部活動の時間が長くとれる」と意見が出ているという。市教委の担当者は「各校から事例が続々と上がってきている。こうしたことが主権者教育や自ら判断する力を育むことにつながっていくのではないか」と手応えを話す。

 また、同ガイドラインでは、校則の制定が校長の権限であることを明確にしつつも、「必要かつ合理的な範囲内で制定」するよう求めている。その視点から、①生まれ持った性質を侵害する内容(地毛の色についてなど)②健康上の問題を生じさせる恐れがある内容③性の多様性を尊重できていない内容(制服に男女の区別を設けるなど)④合理的な理由を説明できない内容(肌着や靴下の色など)――の4つに留意して協議をするよう要請している。制服などに関しては短期間での変更が難しいケースもあるが、市教委の担当者は「例えば、まずジャージ登校も許可するなどして、工夫しているケースもある」と話す。

 今後については、①~③は児童生徒の人権に関わることから、1学期末をめどに各校で協議を進めていく。④については11月までに協議した上で、来年3月までに各校のホームページに校則を掲載していく予定。市教委の担当者は「学校の校則を広く周知し、保護者や地域の方からも理解と協力を得ていきたい」としている。

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