日本語教育の質保証制度を具体化 有識者会議が初会合

 日本で就労・就学する外国人の増加などを受けて、質の高い日本語教育の提供が課題となる中、文化庁は5月31日、「日本語教育の質の維持向上の仕組みに関する有識者会議」の初会合をオンラインで開いた。文化庁の調査研究協力者会議などで示されていた日本語教育機関の認定制度や、日本語教師の国家資格化などの具体的な基準の検討を行う。

 2019年に成立した日本語教育推進法では、日本語教師の資格の整備や日本語教育機関の質を保証する認定制度について検討するよう求めており、これを受けて文化庁の調査研究協力者会議は昨年8月に、日本語教師の資格として、日本語教育能力を判定する試験への合格と教育実習の履修・修了を条件とすること、日本語教育機関の質の確保のため、基準を定めて文科省が日本語教育機関の教育内容を評価する仕組みを導入することなどを提言した。

 これを受けて、有識者会議では日本語教師の筆記試験や教育実習の在り方、指定教員養成機関の基準、現職の日本語教師に対する経過措置などの具体案や、日本語教育機関の修業年限、授業時間、教育課程、施設設備などを定めた認定基準の具体案を検討する。有識者会議の座長には西原鈴子日本語教育研究所理事長が選出された。

日本語教育機関の認定と日本語教師の国家資格に関する制度のイメージ

 この日の会合では、文化庁が新たな制度のイメージを提示。文科大臣から認定された日本語教育機関に対し、必要があれば報告を求めることや、勧告や是正命令など改善に向けた段階的な措置ができること、認定された日本語教育機関では、文科大臣から登録を受けた日本語教師(登録日本語教員)が日本語教育を担当することなどが想定されている。

 今後の議題について、出席した委員からは「会議体の名称にもあるように、質の維持向上が非常に重要。現状で質が高い・低いについては明確な定義がないと思うが、少なくとも今以上のものにしていくとしたときに、現状維持では済まないことも出てくる。覚悟を持って臨む必要がある」「制度的基準を満たしていても、内実は課題だらけという学校もある。自分たちの課題に気付いていないか、気付かないふりをしている。この辺でいいだろうと妥協を重ねている。そこを何とかしたい。制度設計をやっていくのはいいが、制度が目指すところが明確化されて、現実の教育機関の内実とのギャップをどう埋めていくかを考えてほしい」「日本語教師の処遇改善も積極的に議題に加えていただきたい。特にキャリアアップに関して、長い間経験を積んで専門性を高めた人の待遇の向上に結び付くような仕組みを、ぜひつくっていきたい」などの意見が出た。

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