虐待で避難の学生を救済 修学支援新制度申請は通年に

 末松信介文科相は6月1日、衆院予算委員会の答弁で、虐待を受けるなどして親元から避難して生活する学生による修学支援新制度の申し込みを通年でできるようにし、周知徹底のため各大学などに5月31日付で通知したことを明らかにした。これまでは春と秋の決まった期間にしか申請できなかったが、緊急の事態にも対応できるように改善した。7月1日から適用される。末松文科相は「避難の時期によって長期間支援が受けられず、修学の継続が困難になることも考えられる。虐待などを理由に避難した場合について、新たに随時受付の対象とすることにした。引き続き厚労省と連携して、地方自治体の福祉部局に対する周知を行うとともに、分かりやすい情報発信に努めたい」と述べた。浮島智子議員(公明)の質問に答えた。

浮島智子議員の質疑に答える末松文科相(衆議院インターネット審議中継から)

 2020年度から始まった修学支援新制度は生活保護世帯や住民税非課税世帯などの学生を対象として、大学、短大、専門学校などに通う際の授業料の減免と返済不要の給付型奨学金の支給を行うもの。年収条件などによって授業料減免分約70万円、給付型奨学金約91万円で年額最大約161万円の支援が受けられる。

 原則として父母を生計維持者として家計基準の判定を行うが、虐待などで親と別居している場合には学生本人が独立生計者として認められ、本人の所得のみで判定され申請可能となる。

 ただし、これまで申し込み申請は春と秋の年2回のみとされていた。そのため例えば在学中に虐待を受けるなどして親元から避難した場合、その時期によっては定められた申請期日まで待たねばならず、長期間支援を受けられないため、修学の継続が困難になることが指摘されていた。今回の制度改善では申請を随時受け付けることとし、支援までの時間のロスをなくした。文科省高等教育局学生・留学生課では「随時申し込みとすることで、学生たちに利用を促し、よりきめ細やかな修学支援を行っていきたい」と話している。

 また浮島議員は質疑で、学生たちの間で同制度の認知が進んでいないと指摘。末松文科相は「政府広報やSNSといった若い世代の利用頻度が高い媒体を活用するなど、あらゆる手段を講じて利用を高めたい」と述べた。

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