「理工系志望の女性支援強化」 女性版骨太の方針を決定

 政府は6月3日、総理官邸で「すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部」の会合を開き、女性活躍・男女共同参画の重点方針(女性版骨太の方針)2022を決定した。諸外国と比べ立ち遅れているわが国の男女共同参画について、女性の活躍する環境作りに向けての施策をまとめた。具体策の一つの柱として「女性の登用目標達成」を掲げ、理工系への進学を目指す女子学生への支援や大学・研究機関での女性登用の促進などの強化を明記した。会合で岸田文雄首相は「男女共同参画は政府の重要かつ確固たる方針であり、国際社会で共有された規範。内閣が目指す個性と多様性を尊重する社会において不可欠な要素だ」と述べた。

 女性版骨太の方針では、内閣が「新しい資本主義」の中核と位置付ける「女性の経済的自立」を軸として、「女性が尊厳と誇りを持って生きられる社会の実現」「男性の家庭・地域社会における活躍」「女性の登用目標達成」を合わせて4つの柱で重点的に取り組む事項を定めた。

 このうち「女性の登用目標達成」の項目では、政治分野、行政分野、経済分野、国際分野とともに科学技術・学術分野が盛り込まれた。研究・技術開発において男女共同参画を進めることは、性差の視点からのイノベーションにつながり重要と指摘。大学の理工系の学部学生や、教員・研究者の女性割合を引き上げるための取り組みを明記した。

 主な取り組みとしては、理工系を目指す女子学生に対する給付型奨学金や授業料減免などの修学支援プログラム創設のほか、▽入学後の専攻分野の決定や変更、再入学などで早期に文理選択を行う必要のない環境の構築推進▽出産・育児と研究との両立を進める大学などの取り組み支援▽女子学生の占める割合が少ない分野の入試で女子枠の確保に取り組む大学への運営費交付金や私学助成の強化▽大学への資源配分において学長、副学長、教授への女性登用に対するインセンティブの付与――などを挙げた。また保護者や学校、社会による「女子は理系に向いていない」とするジェンダーバイアスの解消に向けて、SNSなどを通じた多角的な情報発信を行うとした。

閣議後の会見で女性版骨太の方針を発表する野田女性活躍担当相

 野田聖子女性活躍担当相は同日、閣議後の会見で「わが国の男女共同参画の遅れの背景には制度、慣行、意識の3つの要素による構造的な問題があると考えられる。女性の人生と家族の姿は多様化しており、もはや昭和時代の想定は通用しない。科学技術の分野は以前、担当相のときに女性が見えない職場、組織であると痛感していた。男女の役割分担のようなものがあって女性が主体として活躍できず、理工系が魅力的に見えなかった。理系を目指す女性たちが1人でも多く、学びに関われるような後押しをしていきたい」と述べた。

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