「社会教育士」の活用促進 生涯学習分科会で素案検討

 中教審の生涯学習分科会は6月3日、第118回会合をオンラインで開き、事務局から示された第11期の議論をまとめた素案を検討した。素案では、学校と地域社会の連携を強化することは、学校教育を支えるだけでなく、社会教育の振興や住民の社会参画を進める上でも極めて重要であると強調。一方で、教育委員会において社会教育行政を担う社会教育主事の配置人数が減少傾向にある点を課題に挙げ、社会教育主事の配置促進や「社会教育士」の活用促進をうたった。これに関して委員からは、社会教育士の資格化を検討すべきだという提案があった。

第11期の議論の整理に向けて素案を検討した生涯学習分科会(YouTubeで取材)

 素案では、社会の変化によって学校教育を修了した後の若者、社会人、高齢者など、あらゆる世代が学び続ける必要性が生じているとの認識の下で、特に社会のデジタル化に伴う高齢者を中心とした情報格差の解消などを課題に挙げた。

 学校と地域の連携では、学校と地域が一体となり、学びを支える地域コミュニティとしての結び付きを強めていくことは、学校教育を支えるだけでなく、社会教育の振興を図る上でも、自治的・民主的な住民としての社会参画を進める上でも極めて重要であるとし、子どもや親世代が地域コミュニティに参加する機能を持っているという観点からのコミュニティ・スクールの推進や、地域の実情に応じた学校、公民館、図書館などの複合化・集約化、社会教育での学校施設の活用促進などを打ち出した。

 一方で、都道府県・市町村教育委員会に置かれている社会教育主事の人数は1996年以降、減少が続き、2018年の時点で市町村における社会教育主事の配置率は5割を下回っているとして、「学びのオーガナイザー」としての社会教育主事の配置を促進していく必要があると指摘。20年度から、社会教育主事の資格取得に関する講習や社会教育主事養成課程の修了者に称号として与えられるようになった「社会教育士」が活躍できる環境整備を進めるよう提言した。

 この「社会教育士」の活用に関して、会合に出席していた副分科会長の牧野篤東京大学大学院教育学研究科教授は「社会教育士を独立の資格化していく。法改正が必要になるので大変かもしれないが、そこまで踏み込んだ形で書いていけないかという思いもある。まちづくりの実践現場で社会教育士の方が活躍している。今は称号だが、法的に位置付けることを検討いただけないか。需要は高くなっていると思う」と発言。

 これに対し分科会長の清原慶子杏林大学客員教授・ルーテル学院大学客員教授(前東京都三鷹市長)も「称号であることが制約になっていることを(今日の議論の中で)確認したので、資格化について今後検討が必要であるという記述が求められているのではないかと考えている」と前向きに応じた。

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