フードロスとECサイトの活用 規格外トマトを教材に授業

 規格外のトマトをECサイトで売るには――。東京都品川区にある私立の青稜中学校・高等学校(青田泰明校長、生徒1635人)で6月6日、ECサイトへの出品体験を通じて、農業の6次産業化とフードロスについて考える授業が行われた。生徒らは、実際に規格外のトマトを試食し、その魅力を知った上で、どうやったらECサイトで訴求力のある情報発信ができるかをグループで考えた。

 授業は中学2・3年生を対象に同校が独自に行っている「ゼミ」の一環で行われ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)をテーマにした青田校長のゼミを選択している約50人の生徒が参加。ECサイトの「メルカリShops」を運営しているソウゾウと、「メルカリShops」にトマトやその加工品を出店しているロココファームが協力した。

目隠しをしてトマトを頬張る生徒

 まず、生徒らはアイマスクで目隠しをした状態でAとBの2種類のトマトを食べ比べ。どちらのトマトがおいしいと思ったかを尋ねると、Bのトマトを挙げる生徒が多かったが、実はどちらも同じ場所、同じ時期に収穫されたトマトで、Aはスーパーなどで商品として流通しているもの、Bは傷があったり、サイズが大き過ぎたりして、規格外となってしまったものであることが明かされた。

 続いてロココファーム農場長の東海直明さんが、うまみ成分を多く含むトマト本来のおいしさの秘密や、生産だけでなく加工、流通・販売までを手掛ける農業の6次産業化の取り組みを紹介。「規格外のトマトは自社で経営する飲食店で使ったり、加工品にしたりして、フードロスがほぼ出ないように努力しているが、加工品にする際には途中の工程でエネルギーを使うことになるので、SDGsの観点からみると課題がある」と生徒らに語り掛けた。

グループで商品の売り方を話し合う生徒ら

 後半の授業では、生徒らが実際にロココファームの規格外のトマトや加工品を選び、「メルカリShops」に投稿する商品名や紹介文、写真などをグループで考えた。「たくさんトマトを食べたい」というトマト好きの人をターゲットにし、トマトや商品がおいしそうに見えるようにと写真にこだわったグループや、ロココファームのトマトの特徴を生かして「元祖THEトマト」という奇抜な商品名を付けるグループなどがあった。

 授業を受けた中3の男子生徒は「規格外商品のことは以前から知っていて、なぜ捨てられてしまうのかと、ずっと疑問に思っていた。今日の授業で、規格外の方がおいしい場合もあることを知り、写真などを工夫しながら、どうやってこれを売るかを考えるのは面白かった。これからは積極的に規格外のものも買ってみたいと思う」と話した。

 今回の授業で生徒が考えた商品は、実際に「メルカリShops」のロココファームのページで販売される予定だという。

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