特異な才能のある児童生徒 学校外の学びの出席扱いを議論

 特定分野に特異な才能のある児童生徒への指導や支援の在り方について検討している文科省の有識者会議は6月8日、第11回会合をオンラインで開き、これまでの審議を踏まえた骨子案について協議した。この日は今後取り組むべき具体的な施策について議論が交わされ、学校外の機関での学びにおける指導要録上の出席扱いや、実証研究の在り方について委員から意見が出された。その中で岩永雅也座長(放送大学学長)は「学校外の機関を利用した学びを指導要録上、どのように出席扱いにしていくのか、具体的な対応についても提言していきたい」と述べた。

 同会議では、今後取り組む具体的な施策を①特異な才能のある児童生徒の理解のための周知・研修の促進②多様な学習の場の整備など③特性などを把握する際のサポート④学校外の機関にアクセスできるようにするための情報集約・提供⑤実証研究━━の5つに整理。

 このうち①の研修について、秋田喜代美委員(学習院大学教授)は「多様性や包摂性を理解していく教育をつくっていく上で、特定の子を理解するだけでなく、そうした子がいるということを周りの子どもたちや保護者も理解していくための学級経営や授業の在り方を、研修していく必要がある」と強調した。

 また、市川伸一委員(東京大学名誉教授)は「教員にとって、またやることが増えるという先入観を持たせないようにしなければいけない。まず研修を求めるのではなく、多様な学習の場の整備やサポート体制など、いろいろな環境を整えた上で、教員に研修を求めた方が負担感も少ないのではないか」と提案した。

学校外での学びの出席扱いについて意見する藤田委員

 学校外の機関との連携については、藤田晃之委員(筑波大学教授)から「学校外での学びを指導要録上の出席扱いにしていくのか。子どもたちの学びを途切れさせない、不利益にさせないためには、保護者と学校と教委の十分な連携や協力が重要となってくる」と意見が出た。

 福本理恵委員(SPACE代表取締役)も「出席扱いについては意見が分かれるだろう。現場の運用面でどのような合意決定が必要なのか、具体的な成功事例を出しながら定めていくべき」と指摘した。それに対し、岩永座長は「学校外の機関を利用した学びの扱いについて、指導要録上、どのように出席扱いにしていくのか。具体的な対応についても議論し、提言していきたい」と述べた。

 また、⑤の実証研究について、今村久美委員(認定NPO法人カタリバ代表理事)は「誰がこの実証研究をするのか。私は都道府県教委の責務だと明記すべきと考えている」と発言。その理由について「自治体ごとにリソースが違う。都道府県教委の責務でやらないと、そうした格差は縮まらない。実証研究について学校ごとに手を挙げるとなると、感度の良い学校が手を挙げて取り組んでも、『うちの学校ではできないね』ということになりがちだ。モデル事業がモデルにならないということは過去にたくさん見てきている。だからこそ、都道府県教委の責務でやるべきではないか」と述べた。
 
 同会議では今後も骨子案について委員からの意見を反映しながら、今年度中に最終まとめの内容を固める方針。

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