義務教育未修了者は約90万人 うち小卒は約80万人

 中学までの義務教育を修了していない人の数は国内で90万人近くに上ることが、2020年国勢調査(就業状態等基本集計)で6月9日までに分かった。調査は同年10月時点。このうち最終卒業学校が小学校の人が80万4293人で、小学校にも中学校にも在学したことがないなどの未就学者が9万4455人だった。「最終卒業学校が小学校」の調査項目は今回が初めてで、義務教育未修了者の実態がより詳しく明らかになった。文科省はこの調査結果を受け、都道府県教委、政令市教委に対して夜間中学の設置・充実に向けた取り組みの推進を図るよう求めた事務連絡(依頼)を発出した。

 夜間中学は、義務教育を修了せずに学齢期を経過した人や、不登校などさまざまな事情で十分な教育を受けられないままに中学校を卒業した人、外国籍の人らに対して義務教育の機会を保障するための役割を担っている。

 16年12月に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」で全ての地方自治体に対して、夜間中学の設置を含む就学機会の提供や必要な措置をとることが規定された。21年1月の衆院予算委でも当時の菅義偉首相が、5年間で全ての都道府県・政令都市に少なくとも夜間中学1校を設置することを目指すと答弁するなど、国を挙げてこの問題に取り組んできた。その後の新たな設置を含め、今年4月現在では15都道府県に40校の夜間中学が設置されており、23年度にも複数の政令市などで開校が予定されている。

 2020年の国勢調査は10年ごとの「大規模調査」の年に当たり、義務教育未修了者の実態把握のために、「在学、卒業等教育の状況」について最終卒業学校の項目をこれまでの「小学・中学」から「小学」の項目を独立させて調査した。

未就学者と最終卒業学校が小学校の人の年代別表

 調査結果では、最終卒業学校が小学校の80万4293人(外国人1万9731人含む)のうち、70代以上が77万3795人で全体の96%を占めた。そのほかは60代1万641人、50代6663人、40代6163人、30代4221人、20代2508人、10代(15~19歳)302人。都道府県別では、人口に占める割合順に青森、秋田(各2.0%)、岩手(1.9%)、新潟(1.8%)、山形(1.7%)。

 未就学者9万4455人(外国人9024人含む)のうち最も多い年代は80代で1万9860人、続いて70代1万6616人、60代1万3368人、90代以上1万844人、50代9999人、40代9459人、30代7196人、20代5353人、10代(15~19歳)1760人だった。都道府県別では人口に占める割合が多い順に、沖縄(0.2%)、青森(0.15%)、山梨、熊本(各0.13%)、三重、広島、徳島(各0.12%)。

 文科省では昨年2月にも同様の趣旨の事務連絡を出しているが、今回の国勢調査の結果を受け、改めて各教委に夜間中学設置に向けた取り組みを加速させるとともに、義務教育未修了者への必要な措置をとるよう要請した。

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