養護教諭・栄養教諭の育成 養成や研修での基準が論点に

 これからの時代に対応した養護教諭と栄養教諭の課題について検討している文科省の「養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議」は6月13日、第2回会合をオンラインで開き、委員間で意見交換を行った。議論を通じて、養護教諭・栄養教諭の育成を巡って、養成・採用・研修のどの段階で、どういった基準に基づいて資質・能力を伸ばしていくべきかが、論点として浮かび上がってきた。

養護教諭と栄養教諭に求められる役割などを話し合った調査研究協議会の第2回会合(YouTubeで取材)

 この日の会合では、前回会合で出た意見を踏まえて、4人の委員による報告が行われた後に、養護教諭・栄養教諭に求められる役割、教員養成・採用・研修、環境整備などの観点から検討が行われた。

 学校現場の視点で報告を行った、全国養護教諭連絡協議会会長の小林幸恵群馬県伊勢崎市立宮郷小学校養護教諭は、養護教諭に期待される役割としてコーディネーターの重要性を挙げつつ、「コーディネーターの役割を果たすには子どもの健康課題を見極めることが重要で、養護教諭は日々努力しているが、今後さらに医学的情報や現代的健康課題などについて最新の知見を学ぶ機会を充実させることが課題と考えている。養護教諭は子どもや保護者の心情、不安や課題に寄り添いながら、教職員や関係者とのコーディネートに取り組み、支援を継続しているが、時間の問題や業務の多忙化が課題となってきている」と、養護教諭の負担軽減の必要性を指摘した。

 また、埼玉県における養護教諭の育成指標の作成事例を紹介した日本養護教諭関係団体連絡会会長の三木とみ子女子栄養大学名誉教授は、一般の教諭と同じように、養護教諭の教員養成課程でもコアカリキュラム(コアカリ)を作成し、質の確保を図るべきだと強調。関連して、その後のディスカッションでも、鈴木志保子神奈川県立保健福祉大学栄養学科長が、給食管理業務や児童生徒の栄養管理業務、食育の授業など、栄養教諭が担うべき業務の範囲が地域によってばらつきがあることから、ある程度標準化すべきだと指摘した。

 一方で、貞廣斎子千葉大学教育学部教授は「コアカリによって教員養成課程を厳格化、規格化するよりも、入口の多様性をプラスに捉えて研修をしっかりやっていく方がいいのではないか。コアカリよりも育成指標をしっかり作って、個人の成長のプロセスをしっかり見ていく方がいい。例えば、コーディネートは養成段階で学ぶのは難しく、現場に出て経験に根差したところの学びが重要になるのではないか」と述べるなど、教員養成・採用・研修の各段階でどこまでの指標や基準を求めていくかが、今後議論すべき課題として浮上した。

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