特別支援教育の環境整備の方向性を公表 文科省タスクフォース

 特別支援教育の環境整備を検討している文科省の「今後の特別支援教育の在り方に関するタスクフォース」は6月13日、▽高校段階における障害のある生徒への支援▽病気療養児への教育支援▽特別支援学校の施設整備――の3点について議論の取りまとめを行い、今後取り組むべき方向性を公表した。

 「今後の特別支援教育の在り方に関するタスクフォース」は学校現場などで発生したり発生が予想されたりする課題の解決に向けて、鰐淵洋子文科大臣政務官を座長として同省内に設置され、環境整備の方向性について検討を重ねてきた。2020年12月から始まった第1期では「障害のある子供の学びの場の在り方」「特別支援教育の環境整備」「特別支援教育の担う教員の専門性の向上」について検討が加えられた。今年3月から始まった第2期では新たに3つの課題について議論していた。

 この日公表した内容によると、高校段階における障害のある生徒への支援では、19年度の調査では通級が必要と判断された生徒2485人のうち1085人が学校側の指導体制がとれずに、必要な通級指導を受けられなかった。このほか発達障害を要因とする不登校の生徒が通信制高校に多く在籍している可能性も考えられるとして、支援スタッフも含めた指導の実態把握をした上で、潜在的な対象生徒も踏まえた教員定数措置の在り方の検討を進める必要があると指摘。加えて出身中学から高校に対して積極的に情報を引き継ぐことで潜在的な生徒を把握するという事例や、通級担当教職員の効果的・効率的な実施形態や配置方法などの横展開も図るべきとした。

 また、学習指導などの支援を受けていない病気療養児が一定程度いることなどを踏まえ、ICTを活用した同時双方向型授業配信やGIGAスクール構想に基づく端末整備の本格実施をもとに、学びの現状や制度的な課題を改めて把握し支援策を検討する必要性に言及。改めて病気療養児を巡るハード・ソフト両面の実態把握を進めるとともに、現行の授業配信だけでは教育機会の保障として十分でない可能性もあるとして、オンデマンド型の授業についても調査研究を実施するべきとした。

 特別支援学校の施設整備については、21年9月に公布された特別支援学校設置基準に基づくと、同年10月現在の校舎必要面積の充足率は約7割という現状。さらに同月現在の特別支援学校の教室不足数は3740で、24年度までの集中取り組み期間に解消する見込みは969しかなく、解消に向けた取り組みを加速する必要がある。今後、全国47都道府県に対して教室不足解消の好事例の横展開を進められるようフォローアップを図り、さらなる支援の在り方についての検討を行うとしている。

 文科省初中局特別支援教育課では「議論の結果を受け、現行の制度で取り組んでいけるものについては、できるだけ早く着手し、現状の正確な把握が必要なものについては調査を進めていく」と話しており、23年度予算の概算要求にも盛り込んでいくとしている。

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