「デジタルで教育の質向上を」 自民、学校DX推進で文科相に提言

 自民党文部科学部会は6月14日、デジタル技術を活用して学校での学びや校務、教師の活動など教育の質を高めようと、学校DX推進プロジェクトチーム(座長・田野瀬太道衆院議員)がまとめた提言書を末松信介文科相に提出した。提言書では、デジタル時代を生きる子供たちの力を最大限に引き出す教育環境の整備と、業務のデジタル処理による教師の働き方改革の必要性を指摘。同部会では政府の施策に反映させるよう求めている。

学校DX推進PTの提言書を末松信介文科相(中央)に手渡す山本朋広自民党文科部会長(左)と田野瀬太道PT座長

 提言書では、学校DXを加速させるために国が主導して教師・学校・教育委員会を強力に支援し、先進的な学校・教師の取り組みを促進するとともに、取り組みが不十分な学校・教師の底上げを行い、学校DXの地域差の改善と全体の質の向上を図ることを方向性として掲げた。

 そして学校DXの効果を最大化するために、学びのDX、校務のDX、教師のDX、学校・教育行政のコミュニケーションのDX――の4分野に分けて検討。

 学びのDXでは、デジタル教科書については音声・動画・多様な教材へのアクセス機能などデジタルならではの強みを生かして、効果的な学びの普及標準化を進めるほか、民間企業や団体などと連携しながら学校現場が利用できるデジタル教材や学習コンテンツの充実に努めることなどを挙げた。また教育データの蓄積や分析、センター機能の強化などの取り組みの推進についても触れた。

 校務のDXでは、地域や学校によってデジタル化の状況は大きく異なることから、民間企業とも連携しながら全国標準化を目指して集中支援を行うほか、ノウハウを持つ人材を「学校DXアドバイザー」として任命し、教委などに派遣することを提案。

 教師のDXでは、ICT活用指導力の格差を埋めるための基本的な教師向け研修プログラムの作成・提供、良質な学習コンテンツを一元的に収集・整理して効果的に提供するプラットフォームの構築、働き方改革の観点からオンラインで自宅から研修参加する教師や、子育てなどで在宅勤務する教師の環境整備を進めることなども盛り込んだ。

 学校・教育行政のコミュニケーションのDXでは、文科省が学校や教委などに実施している調査などの負担軽減と迅速な集計・分析のために、原則デジタル化を提案。文科省と教委との連絡、学校から教委に対する手続きについてもデジタル化を進めることとした。

 さらに、学校DXでは外部人材が有機的・総合的に支援する体制作りが必要であるとして、国がICT支援員について地域単位で学校DXを支援する人材として位置付け、全国での配置を促進すること、教師が児童生徒への指導や教育研究に注力できるよう教育業務支援員の配置の充実を図ることなど、「チーム学校」による推進の必要性を強調。加えて、広域での学校支援体制を構築するため、GIGAスクール運営支援センターの機能強化、教委には学校DXとしての司令塔機能を発揮できるよう、専門部署を設置して学校との連絡系統の集約・一本化を訴えた。

 提言書では最後に「学校DXはこれからのわが国の教育の在り方、社会の在り方を大きく変える可能性を秘めており、政策・法律・予算を不断に進化させていかねばならない。本提言が着実に実現されるよう、政府の取り組み状況を定期的にフォローアップしていく」と結んでいる。

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