子供データ連携、4副大臣PTが論点整理 実証事業で検証へ

 子供に関する情報・データ連携システムの整備に向けて議論している、文科省やデジタル庁など4副大臣によるプロジェクトチーム(主査・小林史明デジタル副大臣)は、6月14日の第4回会合で、論点整理を取りまとめた。データ連携の目的を「貧困・虐待などの困難な状況にある、潜在的に支援が必要な子供・家庭を早期発見し、ニーズに応じたプッシュ型の支援につなげる」と明記。人によるアセスメントの前段階で、データによる分析・判定を補助的に行うといった基本的な支援の流れを示すとともに、今年度の実証事業を通じて、早期発見に役立つデータ項目やデータ管理の体制などを検証していく方針を示した。

オンラインで行われた4副大臣PTの第4回会合(デジタル庁ウェブサイトより)

 小林主査は「懸念を払しょくするために繰り返すが、本プロジェクトチームで議論している子供のデータ連携は、国で一元的に子供の情報を管理するデータベースを構築するものではなく、既存の自治体内の部局間のデータ連携を念頭に置いた取り組みだ。また、データ連携にあたって個人情報の保護を図ることは大前提と考えている」と述べた。

 論点整理では先行事例や実施中の実証事業から、デジタルデータの活用は「人によるアセスメントを行う前段階において補助的に行われている」とし、基本的な支援の流れとして①デジタルデータを用いた分析・判定②人によるアセスメント③個々の対応策の検討④支援への接続――という段階を示した。また転居などが発生した場合の、異なる団体間での情報連携について、引き続き検証を行うこととした。

 またデータ項目について、支援が必要な子供の早期発見のために有用性が高い項目を精査するとともに、個人のプライバシーを保護しつつ、利用目的に沿った必要な範囲内でのデータ連携となるよう整理・分析を行った上で自治体に提示することや、自治体がデータを取得する際の手間やコストについても考慮することを盛り込んだ。

 さらに、自治体がそれぞれで分散管理する情報・データを連携させる際の適切な管理体制を構築する必要があるとし、実証事業を通じてガイドラインを示すとした。また、各担当部局からデータを集約し組み合わせる部局(総括管理主体)を中核に、データの保有・管理主体、分析主体、活用主体が適切な役割分担と責任関係を構築し、個人情報の適正な取り扱いを確保しながら、取り組みを進めることが重要だとした。

 今年度、実証事業を行う団体は▽埼玉県戸田市▽東京都昭島市▽石川県加賀市▽あいち小児保健医療総合センター(愛知県立医療機関)▽兵庫県尼崎市▽広島県・同県府中町(共同実施)▽福岡市――の7つ。小林主査は会合後の記者会見で、「どういうデータ項目を組み合わせると、本当に支援が必要な人が見つけられるのか、また自治体によりシステムの構成やデータの持ち方が違うので、全国で展開するにあたってどういったシステムのアーキテクチャが最適なのかを導き出していきたい」と述べた。

 同PTは子供に関する教育・保育・福祉・医療などのデータを連携することで、貧困や虐待など困難を抱えている子供を早期に発見するとともに、予防的なアプローチをプッシュ型(アウトリーチ型)で実現することを目指し、昨年11月に岸田文雄首相の指示を踏まえて設置された。

あなたへのお薦め

 
特集