20代「人間関係」、30代「教育」で不安顕著 少子化白書

 政府は6月14日、2022年版少子化社会対策白書を閣議決定した。白書では昨年に引き続き、新型コロナウイルスの影響下での少子化の現状と対策について特集。出産や結婚の件数が減少している背景の一つとして、20代・30代では他の世代と比べて「生活の維持、収入」「仕事」「結婚、家庭」に関する不安が増していること、とりわけ20代では「人間関係、社会との交流」、30代では「子どもの育児、教育」への不安増が他の世代と比べて目立つことを指摘し、デジタル技術を活用した新たな支援の例を取り上げている。

新型コロナウイルス感染症拡大前(2019年12月)に比べて不安が増していること(昨年9~10月調査)

 厚労省が今月3日に公表した人口動態調査によると、昨年の出生数は81万1604人で、過去最少。婚姻件数は51万4242組(前年比4.3%減)、昨年1~7月の累計妊娠届け出数は50万7075件(同0.8%減)と減少傾向が続く。白書では「22年の第1子出生や、20年の婚姻控えによる第2子、第3子の落ち込みの影響で平常時に期待される水準を下回る可能性が考えられるとの指摘もあり、今後の推移を注視していく必要がある」としている。

 背景の一つと考えられる若い世代・子育て世代の意識の変化について見ると、20代ではコロナ前と比べて「人間関係、社会との交流」に対する不安が増した人の割合が2割弱と、他の世代より高かった。一方、30代では「子どもの育児、教育」を挙げる割合が2割超に上り、他の世代より高くなっていた。

 コロナ前と比較した結婚への関心の変化を見ると、20代・30代ともに「変わらない」が約6割を占めたが、30代より20代の方が「やや高くなった」と回答した割合は高かった。一方で、出会いを探している未婚者の約3割が、新たな出会いが「減少した」「非常に減少した」と回答しており、白書では「新型コロナウイルス流行下で出会いの機会が減少していることがうかがえる」と課題を指摘している。

 こうした状況に対し白書では、登録から引き合わせまでオンラインで完結する自治体の結婚支援の例や、小児科医・産婦人科医不足の地域でのオンライン医療相談、スマホアプリを活用した子育て世代への支援情報発信や地方移住支援、学校での1人1台端末を活用したオンライン授業など、新たな動きを取り上げている。

 その上で「今回の感染症拡大を契機に、結婚、妊娠・出産、子育てに関係するさまざまな現場において、デジタル技術の利活用が進展することで、結婚に向けた出会いの提供や、子育て世帯の負担軽減・利便性向上などが図られ、少子化問題の解決の一助となることが期待される」としている。

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